2004年11月10日(水)

音楽配信で買った曲がCD-Rに焼ける「SonicStage 2.3 for Mora」提供開始

ついに歴史的な日が来たよ。Moraで買った楽曲がCD-Rに焼けるようになる!(かも?)

とりあえずMoraから届いたプレスリリースより抜粋転載。

レーベルゲート、高度に統合された音楽ソフトウェア
「SonicStage 2.3 for Mora」をインターネットで無償配布開始


株式会社レーベルゲート(本社:東京都港区 代表取締役社長:高堂学 以下:レーベルゲート)は、音楽ダウンロードサイト「Mora [モーラ]」対応の音楽ダウンロードソフトウェアとしてソニー株式会社様(以下:ソニー)が開発した「SonicStage(ソニックステージ) 2.3 」をカスタマイズし「SonicStage 2.3 for Mora」として、2004年11月17日より同サイトの特設ページから無償でダウンロード可能にいたします。

「SonicStage」は、CD音源、楽曲管理はもちろん、著作権管理方式であるOpenMG方式に対応したポータブル音楽プレーヤーとの連携が可能な統合音楽ソフトウェアとして、ソニーがこれまで同社の製品に付属する形でユーザー配布を行ってきたものですが、今回インターネット上から自由に入手できる音楽ソフトウェア「SonicStage 2.3 for Mora」として、レーベルゲートが無償で配布を開始することとなりました。これにより音楽ユーザーの皆様にとっては、デジタル音楽コンテンツの入手・管理・活用が簡単・気軽にでき、現在の音楽ダウンロードサービスの利便性がさらに向上することで、音楽ダウンロード市場がより大きく育つ一助となることを確信しております。

また、今回の無償配布に合わせ、従来は未対応となっておりました「音楽CD作成」および「ポータブル音楽プレーヤーへの転送回数無制限」といった配信ルール設定ができるようになりました。これにより、今後レコード会社様の配信ルールに変更があった場合、速やかに対応することが可能となります。

【SonicStage 2.3 for Mora 無償配布開始の背景と今後への期待】

レーベルゲートはこれまでMoraサイト上において、無償でダウンロードできるOpenMG対応のソニー製音楽ダウンロードソフト「MAGIQLIP 2」を推奨して参りました。しかし、対応ポータブルプレーヤーへの転送機能が無いこと、また多数の音楽ファイル管理には不向きであることなどがあり、ユーザー、レコード会社の皆様からは改善を求められておりました。その為、パソコンでのOpenMG対応の音楽ファイルの扱いについては、ユーザー、レコード会社様の利便性などを考慮して、「SonicStage」をMora推奨ソフトウェアとして広く無償で提供し、音楽ダウンロードサービス環境改善の一助としたい、という計画を進めて参りました。

「SonicStage」は、ダウンロード購入から音楽ファイルの管理、ポータブルプレーヤーへの転送までがワンストップ・ソリューションとして直感的に理解でき、しかも使いやすく多機能なソフトである為、これをこの度「SonicStage 2.3 for Mora」としてインターネットで無償配布させて頂く事で、ユーザーの皆様に音楽ダウンロードサービスを「気軽に触って・使って」頂けるようになります。これによってユーザーの皆様にサービスの仕組みをより理解して頂き、「思い立ったらその場ですぐにダウンロードして、すぐにポータブルプレーヤーに転送して外で音楽を楽しめる」という音楽ダウンロードサービスの魅力を、より多くの音楽ファンの皆様に強くアピールできることを期待しております。

【SonicStage 2.3 for Moraの詳細】

◎対応OS(推奨) : Windows XP Media Center Edition 2005 / Windows XP Media Center Edition 2004 / Windows XP Professional / Windows XP Home Edition / Windows 2000 Professional

◎著作権保護 : OpenMG方式

◎音楽取込み機能 : CDリッピング、ネット ミュージックストア(Mora)、PC内音楽ファイル取込み対応

◎対応音楽フォーマット : OpenMG Audio形式(ATRAC3、ATRAC3plus、PCM)、OpenMG形式(ATRAC3、ATRAC3plus)、MP3形式、WMA形式、WAV形式

◎CDDBを利用した音楽CD情報の取込み機能

◎音楽ライブラリ管理機能(アルバム名、アーティスト名、ジャンル名、登録日時など)、音楽ファイル検索機能

◎OpenMG対応ポータブルオーディオ、メモリースティック(MagicGate機能付)に音楽ファイル転送/戻し入れ機能(Check in / Check Out)

◎CD作成機能(音楽CD、ATRAC CD)

◎バックアップ/リストア機能

簡単に言えば、これまではVAIOやNetMD、ネットワークウォークマンにしか付いていなかった専用ソフトのSonicStageをiTunesと同じように無償配布し、音楽配信でダウンロードしたりリッピングした楽曲を管理する「ハブ」にする戦略を取ったということ。

(著作権保護思想から)今まで想定されていなかった音楽配信で購入した楽曲のCD-Rへの書き込みが技術的に可能になり、転送回数も無制限にできるという方向性が(他ならぬレーベルゲート・Mora自身から)示されたということは、日本のレコード会社主導の音楽配信が「iTunes Music Store(iTMS)並みにユーザーフレンドリーなサービスになる」ということを意味している。

もちろん価格とカタログの網羅性って意味ではまだまだiTMSとは比較にならないけど、これらの方は比較的解決が容易(価格はかなり下がってきてるし、150円くらいまでならすぐに下げられるだろう。カタログについても、ゆるやかではあるが随時増えてるしね)だ。それより根本的なDRMの考え方について柔軟な姿勢を示したという事実が重要。

もちろんこのバージョンアップは「来年に上陸するかも」と噂されているiTMSへの牽制の意味もあるだろう。そりゃ欧米と同じ価格、DRM水準で日本に上陸したら誰も使いづらい日本の音楽配信なんて見向きもしないもんね。そういう意味では今回のこの決断は至極真っ当な判断だし、iTMS上陸の噂を裏付けたとも言えるよね。

ただ、すぐにMoraで提供されてる楽曲がすべてCD-R書き込みができるようになって、チェックアウトが無制限になるかどうかは微妙なところ。

で、確認してみました。とりあえずSonicStageの開発元であるソニー広報に問い合わせたところ「音楽配信で買った曲が焼けるようにはなるが、どの楽曲がCD-Rに焼けて、転送回数が無制限になるかは各レーベルの判断になるので、現時点で具体的な回答はできない」との回答を頂きました。(あと、ソニーのサイトでは17日のSonicStage 2.3 for Moraの提供に先駆けてSonicStage 2.3のアップデートプログラムが提供されてますね。広報でなくサポセンに電話して確認したら、「SonicStageがバージョンアップしてもMoraの楽曲はCD-Rに焼けない」と言ってたので、現場でもこのあたり混乱してる模様。そういや2ちゃんねるを中心にVAIO向けのSonicStageだけMoraで買ったCD-Rが焼けるなんて誤情報が一時出回ったりしてたね。このあたりはかなりややこしい話で、恐らくサポートの現場でも正確な情報が周知されてないんだと思う。今回もそうならないことを祈るのみです)

このプレスリリースを読むと「CD-Rに焼くことと、転送回数無制限がSonicStageでできるようになった」としか書かれておらず、具体的にどのレーベルの楽曲がCD-Rに焼けるとか、全部の楽曲がそうなるとか、レーベルゲートが今後どういう方針で楽曲を提供していくのかということは書かれていない。それでも、あえてこういうプレスリリースを出すということは、恐らくそういう方向で各レーベルと交渉しているのだということは予想できる。だって、そうじゃなきゃわざわざプレスリリースにする意味がない。たかがソフトの仕様変更だよ?(……いや、仕様変更はプログラマーにとって結構重要な問題かもしれないけど、これの場合レーベル側からしたら今までと同じことをやりつつ、その上で選択肢が追加されてるに過ぎないから)レーベル向けに1枚FAX流せば済む話。

あとはレーベルがどういう判断をするか、だ。少なくともiTMSに前向きと言われている東芝EMIとかエイベックスとかコロムビアあたりはあっさり許可しそうな気もする。レーベルゲートで中心的な役割を果たしているSMEも恐らくは許可する方針だろう(MoraとMusicDropには許可して、iTMSには参入しないなんて選択もあり得る)。いずれにせよ、ここの部分は早く明らかになって欲しいところ。買ったけど全然聴いてない俺の「Musicology(音楽配信で先行発売されたプリンスの新譜)」を早くCD-Rに焼いてカーステレオで聴きたいよ。

CD-Rに焼けるようになれば、それをiTunesでリッピングしちゃえばiPodに簡単に転送できるから、ちょっと手間は増えるけどiPodユーザーもMoraで買った楽曲を楽しめるようになる。CDバーニングって手軽なバックアップ手段だったり、ノンパッケージコンテンツに可搬性をもたらしてくれるものだったりするけど、実はDRMやらOSやら配信フォーマットやら、そういう様々な「垣根」を越えて媒介になってくれる究極のクロスプラットフォーム環境でもあるんだよね。現時点ではそれをもっとも現実的に実現してくれるソリューション。この視点を持ってる人って意外と少ない。

別にCDバーニングできたからってそんなに頻繁に焼いたり、焼いたものを友人にばらまいたりなんてしないんですよ。実際問題。そうじゃなくて買った楽曲でいざ何かしようと(カーステレオで聴こうとか、パソコン買い換えようとか)思ったときにCDバーニングできるかできないかで、「できること」がかなり違ってくる。これがポイント。ここでユーザーが「なんだ音楽配信って不便だな」って思っちゃうと、その人は(サービスレベルが変わらない限り)二度と音楽配信を使わないわけで。

とりあえずユーザーにCDバーニングさせておけばサポートコストも削減できるんじゃないのかな。日本のレコード会社、音楽配信事業者が「CDバーニング」ということを現実的に考え始めたという意味で、この発表の意味は大きいし、喜ばしいことだと思う。

ま、本音を言えば「ちょっと遅すぎたかな」という気もする。けど、それでも日本の音楽配信がようやくまともな方向に行きそうだってことはきちんと評価してあげなきゃね。

日本の音楽業界がCDバーニング認めたら、そりゃCCCD出してる場合じゃないわな。もちろん違法コピーの問題ってのはこれからもついて回るけど、それはそれとしてもっと本質的な問題(ソフトの価格だったり、ユーザビリティーだったり、デジタル音楽の可能性だったり)を議論できる環境がようやく整ったって感じですわ。

| 音楽配信 | この記事のURI | Posted at 16時02分 |

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