■掲示板に戻る■ 検索 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 901- 最新50
雑談スレッド
レス数が1000を超えているので、これ以上投稿できません。
453 名前:津田 ★ 2004/04/07 23:44
>>444
> ここの話で素晴らしいと思うのは、ファンは「ネットで
> ダウンロードしてしまったことをメールで謝罪し、
> アルバムが発売されたら必ず買うと約束」するほど
> アーティストに敬意を払い、アーティストも一部の曲を
> サイトで「無料でダウンロードできるようにする」ほど
> ファンを信頼している、ということです。これはファンと
> アーティストの理想の関係だと思います。

最近この話が例に出されること多いですね。これは僕も
取り上げようとは思っているのですが、ちょっと忙しくて
更新できてません。

さて、Wilcoというアーティストはこの問題を考えるときに
非常に象徴的なアーティストです。カレーマンさんがご存じか
どうかはわかりませんが、彼らは元々オルタナ・カントリーと
呼ばれる、あまりコマーシャルではないジャンルのバンドです。

キャリアは長く、メジャーからアルバムを2枚出したんですが
あまりにも売れず、レコード会社から「もっとコマーシャルな
音にしろ」と言われたのですが、彼らはそれを拒否してノン
コマーシャルなアルバムを制作しました。

怒ったレコード会社は結局彼らをクビにして、Wilcoはアルバムを
発表する場所を失いました。そこで困った彼らは自らのサイトで
その「ノンコマーシャル」なアルバムをMP3で公開。この出来が
素晴らしくNapsterなどのファイル交換ソフトでも多く流通し、
リスナーから大評判を得ることになりました。そして最終的に
アルバムはインディーからリリースされることに。

リリースされたアルバムは、彼らのキャリアでもっとも売れた
アルバムになりました。彼らはアーティストが自らリスナーに
対して「自由に僕らの音楽をコピーしていいよ」というスタンスを
取ることで恩恵を受けた、ある意味Napster時代を象徴する
アーティストでもあるのです。その特殊な背景を理解しなければ
この問題は、「一杯のかけそば」みたいな単なる人情話として
認識されてしまいます。いや、エピソード自体は素晴らしい話
だと思いますよ。でも、なぜそういう経過になっていったのか
という背景には「違法コピー」があったということはとても
重要なことだと思います。公開されたMP3をじゃんじゃんP2Pで
リスナーが広めたことで彼らは「音楽的な名声」を得ることが
できたわけですから。それって「裏切り」ですか?
リスナーとアーティストがお互いに信頼しあって、きちんと
リスナーからアーティストへお金が流れることを担保することは
重要だと思いますが、違法コピーが必ずそれに対しての裏切りに
なるのかというと違うのではないかという話です。いろいろな
可能性や選択肢を考えましょうよと言いたいです。

ちなみにWilcoは当然合法的な音楽配信にも積極的で、iTMSは
もちろん全曲聴き放題型の「Rhapsody」にも全アルバムを提供
しています。

708/1000k

- Flash CGI/Mini Thread Version 3.31β -