2005年06月28日(火)

Groksterが最高裁で敗訴。著作権侵害認定へ

Grokster, StreamCast Lose(⇒翻訳
Supreme Court Rules Against Grokster!(⇒翻訳
Court Sides With Entertainment Biz In Grokster Case (⇒翻訳
Grokster Loses (⇒翻訳
Grokster voting patterns(⇒翻訳
The Supreme Court's ruling against P2P(⇒翻訳

一番下のZDNetの記事は翻訳を通してもかなりわかりやすく今後の見通しが書いてあって参考になる。上の記事で1つだけ読むなら一番下のやつにするといいだろう。

また、EFFもこの判決に対してさまざまな情報をサイトで提供している。こちらのファイル(リンク先PDF)では、各裁判官のコメントが読めるようだ。

日本語で読める記事も出てきた。

米最高裁、P2P企業の法的責任認める逆転判決(ITmedia)
ファイル交換ソフト「違法性問える」 米最高裁判決(asahi.com)
ファイル交換ソフトに著作権侵害の責任・米最高裁判決(NIKKEI NET)
P2P側2社、「著作権侵害の助長行為」解釈を批判(ITmedia/IDG)
P2P 会社には、著作権侵害利用の責任あり(Japan.internet.com)
米最高裁、P2P企業のGroksterらに著作権侵害の責任追求を認める逆転判決(Internet Watch)
米最高裁,PtoPベンダーに対する著作権侵害の責任追及を認める(IT Pro)
PtoP訴訟、ファイル交換ネットワーク側が敗訴--米最高裁で判決(CNET Japan)
連邦最高裁「違法ダウンロードはP2P企業にも責任あり」(Hotwired Japan)
米最高裁、P2P企業の著作権侵害の責任を問う判断(setoh blog)
PtoP企業敗訴判決--音楽業界関係者は好意的な反応(CNET Japan)
ファイル交換は悪と言い切れるか(CNET Japan)
PtoP有罪判決で期待されるPtoPビジネス利用の促進(CNET Japan)

高裁では無罪になったGrokesterが、最高裁で逆転判決。高裁判決はでは「ファイル交換ソフトウェア自身には罪はない」っていう、世界的な潮流の1つとして語られたけどそこからエンターテイメント業界が押し戻したってことか。ある種の予定調和と言えなくもない。

ただ、元々Groksterは高裁で勝ったというもののかなりギリギリの勝利であったことは事実。また、最高裁では高裁判決そのままにはならないだろうという識者の見方も多かった。そのあたりは城所岩生成蹊大学法学部教授が書いた以下の記事に詳しい。

ソニー・ベータマックス判決を見直す米最高裁(NIKKEI NET)
原審差し戻しか?――P2Pソフト著作権侵害訴訟、米最高裁での口頭弁論を傍聴して(NIKKEI NET)

城所氏は上記記事で最高裁における原審差し戻しの可能性を示唆していたが、結果としてはまさに予想通り。「満場一致」でGroksterの責任を認め、原審へと差し戻されることとなった。

裁判の是非はともかく、Winny裁判への影響も気になるところ。上記2つの城所氏の記事はこの問題を理解するのに非常に役立つと思うので、読んでおいた方がいいでしょう。

しかし5年経った今この議論が示唆するものは非常に大きくなっているんじゃないだろうか。5年も経ったのに、ここで議論されているような本質的な問題は棚上げされたままで、コンテンツを取り巻くインフラだけが様変わりしちゃったような気もするね。

個人的に気になるのは“合法”P2Pネットラジオ(メッセンジャー)ソフトであるMercoraがどうなるかってこと。GroksterとMercoraって提携してたんだよね。

今回は映画業界の強い働きかけでこういう判決になった面はあるだろうけど(彼らにも必死になる理由がある)、音楽業界的にはどうなんだろうね。もちろん、基本的にはこの判決は歓迎なんだろうけど、Sony BMGなんかは既にGroksterがらみでこんなことも始めてるしねぇ。MercoraにしてもSnocapにしても、ようやくコンテンツ業界がP2P(P2P的なコンテンツサービス)に対して「潰す」だけの対応じゃなく、合法的な利用の道も探るようになってきて、全体的な流れとしては良い方向に向かっていたと思うだけに、ちょっとやるせない気持ちはあるなぁ。

ま、iTMSをはじめとする合法ビジネスに道筋が付いてきた今は、コンテンツ業界にとって「Napsterの亡霊」ともいえるユーザー主体で著作権侵害が横行してしまうファイル交換ソフトの息の根を止める千載一遇のチャンスなのかもしれないね。……って書いたらまさにドンピシャな記事がITmediaにアップされましたな。

上で挙げた城所教授がこの判決に対してコメント発表してますね。この判決のポイントは「最高裁は著作権侵害を助長するような行為を罰しただけで、P2P技術そのものを罰したわけではない。技術中立性は貫いた」とのこと。ということは、差し戻し裁判では、著作権侵害の助長行為に争点が移るわけだろうが、これはこれでかなり複雑な問題をはらんでいる気もする。

| ファイル交換ソフト | この記事のURI | Posted at 00時33分 |

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