2005年10月25日(火)

2ちゃんねるVIP板が浜崎あゆみに「インスパイヤ」された曲を公開

「avexにインスパイヤされて曲を作ろう。」スレ 製作曲 配布所
2ch ニュース速報VIP Presents. Ayumi Hanasaki INSPIRE

(追記&訂正)
トラバもらって気づいたけど、これについては浜崎あゆみの歌を編集しているわけではないのね。声似てるから本人だと思った。うはー、失礼しました。さすがに「曲について」の説明には目を通してはいるんだけど「カラオケ板の有志」ってところを見逃してましたわ。「ぱくりんぼ」も同様で意図的に似せて作ってるのね。いやーよくできてるわこれ。いろんな意味ですげえ。ま、著作権の存在するアリ物の素材を取り出していようと、自分たちで似た声の人を連れてきても、書きたかったことについての趣旨は変わらないので文章はそのままにしておきます。文章の後段で「創造性とは別の部分で職能的価値が生まれてる」って書いてるけど、俺が言いたいのはまさにそういうことだったりするので。まぁ素朴に創作に向かわせるモチベーションがAVEX憎しとかバカにしようみたいなネガティブなものじゃなくて、その労力をもちっとポジティブな方向に昇華させた方がベターなんじゃないの? と思わなくもないことは事実だけど。ただ、こういうのはネガとかポジとかそういう話じゃなくて「単におもしろいからやってるだけ」って人も多そうだしなぁ。よく考えたら俺も高校〜浪人時代に4chのカセットMTR買って一人でシコシコ宅録で、こういう「インスパイヤ」みたいなお遊び的曲を作って他人に聴かせたりしてたけど(聴かされた方は良い迷惑ですね!)、今は見知らぬ人同士が簡単にコラボできる回路がネットにあるんだよね。いい時代、というかすごい時代だ。

で、歌い方や声なんかもこうして意図的に似せて(ま、これは「編集」というより要素だけ抜き出して「再構築」とも言えるかもしれんけど)リスナーをニヤっとさせる手法は、まさに今までの音楽業界における「クレジットされない音楽の引用」的な要素と密接にからんでいる(根っこは同じだ)と俺は思うので、そういう部分を表面化させたという意味でも、2ちゃんねる内からこういう動きが出てきたのは興味深いね。

       ◇     ◇     ◇     ◇

意趣返しとしてはやり過ぎの感もあるけどよくできてる。こういうのが頭でっかちなクリエイティブ・コモンズコミュニティからあまり出てこなくて、2ちゃんねるから出てくるのが日本的だなぁとも思う。

たとえ金にならなくても(金とは無縁の部分だからこそ)、こういう創作意欲というのはネットにごろごろ転がっていて、それに対する賛同があるというのは興味深い現象だ。もちろんそういう事例はプロ・アマ問わずあるものだけど、ネットにたくさんいるアマチュアの場合、匿名であって結果としてコラボになっているケースが多いというのが1つの傾向ではないかと。

創作動機が単純に匿名の人たちから「おもしろい」と評価されたり、ふだんあまり褒められることのない職人・専門的技能を評価してもらいたかったり、単純に流行っているネットの空気に乗っかりたかったりといった、ある種副次的なものであったりすることを「ヨコシマだ」と思う人はいるかもしれない。だが、「コンテンツそのものがコミュニケーションになる」という流れ、いや「コミュニケーションがコンテンツ化する」のでもどっちでもいいんだけど、それがネットの今の空気として醸造されているなら、プロの側にいる人がそれを「読んで」おくことにはそれなりの意味があり、うかつにバカにしたりすると手痛いしっぺ返しを食らってしまうのではないか。

そして、功名心とは若干異なる(彼らは認められたいのか、つながりたいのか。そんなことを問いかけたり規定すること自体に意味があるのか)動機によって作られたコンテンツ(そしてそれは外野から見たときにモチベーションだけでドライブされたコンテンツであるようにも思える)は、2ちゃんねるの文法で届けられた場合、「出る杭」にはならず、匿名の状態で公開される。これがネットコンテンツの未来を考えたときに良いのか悪いのかって問題もあり、これもいずれは考えなきゃいけないだろう(こうやって作られたものが素人のつまらない作品で、プロの側から見たときに全部ばさっと切り捨てられるようなものだったら話は早いのだが、最近はそうでもなくなってきており、また、創造性とは別の部分で職能的価値が発生しているという点も考慮すべきポイントだ)。

そして、何度書き直しても我ながら読みづらい。そして風呂敷は広がっていくばかりでどうにもならないが、あえて読みづらいままにしておこう。

要はこういうイリーガルアート(欧米のイリーガルアートに比べて、単にエイベックスをバカにしたいだけで、志が低いんじゃないの? といぶかしく思う向きもいるかもしれないが、これがイリーガルアートの日本流スタイルなのだという考え方もできなくもない)ものが出てきたときに、「笑って許せる」寛容さがここ数年の音楽業界に欠けていたのではないか、という話である(いや、そんな話だったか? まぁいいや)。ともかく、そういう寛容さがなかったから、今レコード会社(音楽業界)が、2ちゃんねるのみならず、ネットの人たちから「抵抗勢力」的に思われているのではないか、ということだ。ブランド化の逆現象みたいな。

のまネコ問題にしろ、先頃の音速ライン問題にしろ、プロセスさえ間違えなければ「美談」に仕立て上げることができた話なのになぁと俺なんかは素朴に思うけど、そういう考え自体がずれてるのかもね。それくらい今のエイベックスやソニー(これはグループ全体にだろうけど)に対する悪印象は強いような気もする。まぁエイベックスは良い意味でも悪い意味でもネットに対して(ネットに限らず音楽業界全体に対しても)「進取の精神」的なものがあるレコード会社なんだけど、誤解を恐れずにいえばそのやり口がDQNっぽいんだよね。そこも嫌われる原因なのかなぁと。ネットでのイメージ作りが下手なのか、そもそもが相容れない存在なのか。はてさて。

もちろん「2ちゃんねる=ネットの意見」であるはずはないし、それが一般音楽リスナーの意見であるはずもないんだけど、ここ1〜2年で急速に重なっている部分が増えているような気がするのも事実。そうなったとき、「作り手」というより「送り手」がかなり難しい判断(というか慎重な判断)を迫られているのだなぁと思う。そんな抽象的な話でお茶を濁しておくよ。パクられた当事者じゃない奴がパクリパクリうるさく言う状況は、間違いなくおもしろいものを生み出さないだろうし。

上記リンク先は4曲目と6曲目の出来が良いと思った。

| 音楽配信 | この記事のURI | Posted at 22時11分 |

_EOF_