2006年08月05日(土)

東京地裁の高部眞規子裁判長が著作物流通を促進(?)する画期的な判断を下す

番組ネット転送「適法」 東京地裁、TV局中止申請却下(asahi.com)
ロケフリ利用の遠隔視聴サービス、中止求めるテレビ局の申し立て却下(ITmedia)

逆の意味でこんな判決が出ることに驚いた。「著作権の考え方」を書いた政策研究大学院大学教授の岡本薫氏(元文化庁著作権課課長)のコメントがふるっている。

岡本薫・政策研究大学院大学教授は決定について「業者や利用者にとっては、機器の所有権が利用者にあれば、著作権が及ばないようなビジネスモデルが作れるという画期的な判断だ。ただ、著作権者にとっては、音楽配信などに同種のビジネスモデルが広がれば、重大な影響をもたらすだろう」と話した。

絶対に「画期的」をポジティブなワードとして使ってない(笑)

「音楽配信などに同種のビジネスモデルが広まれば」というところでいえば、例えばTSUTAYAとかのCDレンタルショップに自分のiPod持って行ったら有料でiPodに入れてくれるなんてサービスも可能になるかもね。究極のキオスク端末がいきなり全国展開!(笑)

しかし、こんな解釈が通るなら一体「録画ネット裁判」は何だったのかという話になるよね。まぁ今回の判決と録画ネット裁判は細かいところで違いがあるのかもしれないけど。

こんなアグレッシブな判決を出した高部眞規子裁判長は東京地裁では知財関連でユニークな判決を出す裁判官として有名で、先だっての一太郎と松下電器の特許訴訟の一審でジャストシステムの「一太郎」「花子」の特許侵害を認め、販売中止と製品の破棄を命じた裁判官でもある。一太郎以外のいろいろなアレなことについてはこちらにまとまっているのでどうぞ。これわかりやすくて面白いね↓

445 :番組の途中ですが名無しです :05/02/01 16:48:26 ID:3fihA3FB

*「一太郎というソフトの機能とこちらの特許では」

高部「あら似てるわね。アウト」


*「ラ・ヴォーグ南青山というマンションがあります」

高部「あら似てるわね。アウト」


*「高知東急という芸名は」

高部「あら似てるわね。アウト」


*「小林亜星さんの曲とこの曲は」

高部「あら似てるわね。アウト」


*「和民の看板と魚民の看板がそっくりなんです」

高部「別にいいじゃない。セーフ」

「甲曲の4小節を1フレーズとし、乙曲の2小節を1フレーズとして両曲の旋律を対比すると、乙曲の全128音中92音(約72%)は、これに対応する甲曲の旋律と同じ高さの音が使用されており、甲曲と乙曲は、各フレーズの最初の3音以上と最後の音が第4フレーズを除く全フレーズにおいて、すべて一致しており、各小節の最初に位置する強拍部の音は第4フレーズを除いてすべて一致する」というすごい根拠でメロディのパクリ基準をお作りになられて「もう下手にオマージュっぽい手法使って音楽作れなくなるねー」と音楽業界を震撼させた迷裁判小林亜星『どこまでも行こう』事件の判決を下した裁判官でもあるわけで。

いや別に俺も録画ネットにしろ、今回のまねきTVにしろ、こういうサービスは認められた方が消費者的には便利になるよな、と思っているので判決自体はまぁ歓迎なんだけど、知財関連でこんなトンチンカン(少なくとも俺から見たらそう見える)な判決ばっか出してる人に出されても正直微妙よね……と思うところもある。

こういうサービスは著作権というよりかはビジネスマターで解決できればいいんだろう(放送局も目くじら立てなさんな)けど、まぁそれも難しいだろうしねえ。これ知財高裁いくのかな。まぁ多分高裁では覆るだろうけど、放送と通信の融合にまったく予想しなかった斜め上から横やりが入って、野次馬的にはワクワクする状況になって参りました!

(追記)
小倉先生のところで今回のまねきTVは「ハウジング」で、録画ネットは「ホスティング」だったという指摘が。なるほど。

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