2006年10月20日(金)

MOK Radio 活動休止のお知らせ

MOK Radio 活動休止のお知らせ(MOK Radio)
MOK Radioの休止について(ユルス)

2003年7月の放送開始以降、皆様の暖かい声援に支えられて活動してきたMOK Radioですが、2006年9月をもちまして活動を休止することになりました。

応援して下さっているファンの皆様のためにも、なんとか続けていくことができないかとメンバー、スタッフ間で話し合いを重ねましたが、現在の形での放送は困難であり、しばらくお休みしようという結論になりました。休止の理由は語学留学です。

今後はそれぞれがMOK以外の場所で経験を重ね、そこで得たものをいつかまたMOKに持ち帰ってきたいと思います。解散ではなく、前向きな気持ちで選んだ活動休止です。今まで応援して下さったファンの皆様には心配をおかけしますが、しばらくはメンバー個々の活動を暖かく見守っていただければと思います。


2006年10月20日
MOK Radio Tribe
津田大介、タクヤ、実験4号、キョウオカ

俺が「ラジオ」という旅に出てからおよそ20年の月日が経った。10歳の冬、東京都北区の自室にあった妹のラジカセからその旅は始まった。

あの頃は深夜番組を聴くことに夢中になり投稿したハガキが採用されて読まれることだけを目指した。そして、ひたすらラジオ番組を楽しんだ。ラジカセは常に傍らにあった。

この旅がこんなに長くなるとは俺自身思いも寄らなかった。 単なる一ラジオファンからネットラジオパーソナリティー、音楽業界のことを語っているうちにそして民放ラジオへの出演依頼がきた。

J-WAVE、TOKYO-FM、NHKラジオ、TBSラジオへも招聘され 日本中のさまざまなラジオ局でいくつもの番組に出演した。

ラジオはどんなときも俺の心の中心にあった。 ラジオは本当に多くのものを授けてくれた。 喜び、悲しみ、友、そして試練を与えてくれた。

もちろん平穏で楽しいことだけだったわけではない。それ故に、与えられたことすべてが俺にとって素晴らしい“経験”となり、 “糧”となり、自分を成長させてくれた。

半年ほど前からこの60回記念ラジオを最後に約3年間放送したMOK Radioを活動休止しようと決めていた。

何か特別な出来事があったからではない。その理由もひとつではない。 今言えることは、ラジオという旅から卒業し“新たな自分”探しの旅に出たい。そう思ったからだった。

ラジオは音楽を流すという意味で最大の力を持つメディア。それだけに、多くのファンがいて、また多くのジャーナリストがいる。番組は多くの期待や注目を集め、そして聴取率の為の責任を負う。 時には、自分には何でも出来ると錯覚するほどの賞賛を浴び、時には、自分の存在価値を全て否定させられるような批判に苛まれる。

音楽業界のことを語るプロになって以来、「ラジオ、好きですか?」と問われても「好きだよ」とは素直に言えない自分がいた。責任を負ってしゃべることの尊さに、大きな感動を覚えながらも子供のころに持っていたパーソナリティーのトークに対する瑞々しい感情は失われていった。

けれど、休止前最後の放送になった9月22日の放送の後、ラジオを愛して止まない自分が確かにいることが分かった。自分でも予想していなかったほどに、心の底からこみ上げてきた大きな感情。

それは、傷つけないようにと胸の奥に押し込めてきたラジオへの思い。厚い壁を築くようにして守ってきた気持ちだった。

これまでは、周りのいろんな状況からそれを守る為ある時は茶化しながら音楽業界のことを語り、またある時には敢えて無愛想・まじめに語った。しかし最後の最後、俺の心に存在した壁は崩れすべてが一気に溢れ出した。

9月22日の放送後、チャットでリスナーと触れあう感触を心に刻みつつ込み上げてきた気持ちを落ち着かせたのだが、最後にリスナーへ挨拶をした時、もう一度その感情が噴き上がってきた。

そして、思った。

どこの国でも聴けるインターネットラジオにアクセスして、笑いながら、ときにはチャットで叱咤激励して全身全霊で応援してくれたファン――。神保町から吉祥寺までどこから放送しても聞こえてきた「これはひどいネットラジオですね」の声援――。

本当にみんながいたからこそ、3年もの長い旅を続けてこられたんだ、と…。

ラジオという旅のなかでも「MOK Radio」は、俺にとって特別な場所だった。

活動休止前の放送の中では、タクヤ、実験4号というほかのパーソナリティー、スタッフのキョウオカ、そしてリスナーのみんなに「俺は一体何を伝えられることが出来るのだろうか」、それだけを考えてしゃべってきた。

俺はネットラジオというメディアの中で、MOK Radioの可能性はかなり大きいものと感じていた。 今のMOK Radioは個人のトークレベルは本当に高く、その上スピードもある。ただひとつ残念だったのは、自分たちの実力を100%出す術を知らなかったこと。それにどうにか気づいてもらおうと俺なりに3年間やってきた。時には励まし、時には怒鳴り、時には相手を怒らせてしまったこともあった。だが、メンバーには最後まで上手に伝えることは出来なかった。

大団円を迎えることなく放送がこのような結果に活動休止してしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。俺がこれまでラジオを通じてみんなに何を見せられたのか、何を感じさせられたのか、この放送の後にいろいろと考えた。 正直、俺が少しでも何かを伝えることが出来たのか… ちょっと自信がなかった。

けれどみんなからのmailをすべて読んで俺が伝えたかった何か、MOK Radioに必要だと思った何か、 それをたくさんの人が理解してくれたんだと知った。 それが分かった今、プロになってからの俺の“姿勢”は間違っていなかったと自信を持って言える。

何も伝えられないままMOK Radioそしてラジオから離れる、というのはとても辛いことだと感じていた。しかし、俺の気持ちを分かってくれている“みんな”がきっと次のMOK Radio、そして日本のネットラジオの将来を支えてくれると信じている。

だから今、俺は、安心して旅立つことができる。

最後にこれだけは伝えたい。

これまで抱き続けてきた“誇り”は、これからも俺の人生の基盤になるだろうし、自信になると思う。でもこれは、みんなからの“声”があったからこそ守ることが出来たものだと思う。

みんなの声を胸に、誇りを失わずに生きていく。

そう思えればこそ、この先の新たな旅でどんな困難なことがあろうと乗り越えていけると信じられる。

新しい旅はこれから始まる。

活動休止をやめるまでは、プロのパーソナリティーとしてネットラジオを放送することはないけれど、ラジオをやめることは絶対にないだろう。旅先の路地で、草むらで、小さな部屋で、誰かとボールを蹴る代わりに言葉を発信するだろう。子供の頃の瑞々しい気持ちを持って――。

これまで一緒に放送してきたすべてのパーソナリティー、スタッフ、関わってきてくれたすべての人々、そして最後まで信じ応援し続けてきてくれたみんなに、心の底から一言を。

“ありがとう”

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