2007年07月22日(日)

新刊『CONTENT'S FUTURE』が発売されます&トークショーやります

いやーすっかりブログも更新しなくなって、オメガブロガーぐらいの影響力しかネットで持てなくなった(皆さん日本のブログ黎明期に行われた悪い意味で伝説のイベントBlog of the Yeah! 2003を覚えてますかあの頃からドリコムの凄さはあらゆる意味で際だってましたねまぁそれはいいとしてこのアワードで音楽配信メモは審査員特別賞をもらったりしていたのです実は歴史のあるブログなんですよ)僕ですが、こんな僕もヴァーチャルな世界wではなく、リアル世界では結構頑張っているんですよ。

ということで、この春から小寺信良さんと一緒に作っていた単行本がようやく完成し、8月2日(一部書店は8月1日に並ぶみたいです)に発売を迎えることとなりました! 『CONTENT'S FUTURE』という本です。

CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティCONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ
小寺 信良 津田 大介


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2004年に『だれが「音楽」を殺すのか?』という書籍を出して以来、コンテンツ・メディア論的なことは雑誌連載やら、ウェブ記事などに細切れで発表してきた僕ですが、ようやく音殺以来まとまった形でコンテンツ・メディア論を書籍の形でまとめることができました。苦労して作ったということもありますがなかなかの自信作です。

内容は以下の通り。

「ネットトラヴェラーズ200X」シリーズ 最新刊

■書名
コンテンツの未来を探る対話集
CONTENT'S FUTURE
コンテンツ・フューチャー
〜ポストYouTube時代のクリエイティビティ〜

■著者
小寺信良(攻)× 津田大介(受)

■仕様
A5判×312ページ
定価 2,205円(本体価格 2,100円+税)
発売日 2007年8月1日
ISBN:978-4-7981-1401-9

■内容(掲載順)

▼土屋敏男氏(第2日本テレビ エグゼクティブ・ディレクター)
ネットでしかできない表現コンテンツモデルを探せ!

▼草場大輔氏(東京MXテレビ 報道制作局ディレクター)
ネットとテレビは決して融合しない
でもネットは今テレビを救っている

▼西谷清氏(ソニー ビデオ事業本部長)
ソニーはコンテンツを再び開放できるか?
「ロケフリ」が起こす伝送革命

▼長谷川裕氏(TBSラジオ「Life」プロデューサー)
変わり続ける音声コンテンツの未来の姿を探して

▼椎名和夫氏(音楽家、実演家著作隣接権センター運営委員)
クリエイティビティとテクノロジーの複雑な関係

▽小寺信良×津田大介 対談 SIDE A
放送と通信とユーザーを「アーカイブ」がつなぐ

▼遠藤靖幸氏(価格.com マーケティング部)
国内最大級CGMサイトの真実
コンテンツになるクチコミ

▼江渡浩一郎氏(産業技術総合研究所 研究員)
CGMやウィキでアートは作れるか?
天才は探し出せるか?

▼中村伊知哉氏(国際IT財団専務理事、慶應義塾大学教授)
日本の大衆の強みをどう引き出すか?
「融合」政策の過去・現在・未来

▼松岡正剛氏(編集工学者、編集工学研究所)
セルフエディティングがないかぎり、
情報の海は何の役にも立たない

▽小寺信良×津田大介 対談 SIDE B
コピーは記憶への投資で、文化を守るための保険

元々は小寺さんと僕がかつてITmediaでやっていた対談を新たに起こそうみたいなコンセプトでスタートした本だったんですが、打ち合わせしている内に二人だけで話すより僕らがコンテンツの現場でメディアを創るという視点から「未来」をいろいろ考えていらっしゃる皆さんに話を聞きに行った方が話も広がるし、おもしろい視点もたくさん提示できるんじゃないかという方向性になって、こういう体裁の本になりました。だから、この本は「対談本」でもないし「鼎談本」でもないし、「インタビュー集」でもないんです。僕自身はあとがきにも書きましたが、コンテンツを考える上での「教科書」もしくは「副読本」を作ったという気持ちでいます。で、完成した今は、その目的はある程度は達成できたなとも思ってます。

本の作り方もアウトプットもネット時代の今だからこそ、新しいやり方を模索したいということで、結構変わった感じになってます。こういう対談本って、通常はテープ起こしした内容を編集者やほかのライターが構成して、対談した者は著者校正という形で発言内容の確認だけ行うというのが基本なんですけど、ITmediaに以前掲載された対談記事のとき、小寺さんも僕もガリガリ構成してくれた編集さんがまとめてくれた内容を編集していく方だったので、これはそういう対談編集の部分も我々著者がフルコミットした方が良いんじゃないかという話になりました。なので、小寺さんは土屋氏、草場氏、西谷氏、遠藤氏。僕は長谷川氏、椎名氏、江渡氏、中村氏、松岡氏という感じでそれぞれ担当を決めて、鼎談構成と司会進行を行ったんですね。

で、鼎談のテープ起こし上がってきたら、それを本書の担当編集者が粗構成して、そこから小寺さんと僕がお互いの発言には触れない形で鼎談という形に本構成して、それをGoogle Docsにアップロードしてお互いに編集していくという方式で原稿を作っていきました。Google Docsは編集した部分を差分として残してくれるので、元の状態に戻すことも簡単ですし、誰がどのような編集を行ったのかがすぐにわかるというメリットがあるわけです。まぁそんな「鼎談構成2.0」みたいな感じで本を作っていったので、作業的には自分で新書一冊分の原稿を書き下ろすくらいの手間はかかりました。でも、そういう複雑なプロセスを経たことで濃い内容に仕上がったという手応えもあるかな。

小寺さんも僕も基本的には、現状のコンテンツを取り巻くコピー制限とか、コンテンツ政策がどうあるべきか、みたいなところの問題意識は近いわけです。二人が「今の日本のコンテンツ環境ってダメだよねー。もっと自由にコピーさせりゃいいじゃん」とか単にクダ巻いてるような内容にはしたくなかったし、自分たちがアウトプットする「コンテンツ」についても、きちんとこの本で語ったような形で結実させたかったという部分がありました。

なので、この本は僕の強い希望で商業出版物では結構珍しいクリエイティブ・コモンズライセンスを付けて発売させてもらうことにしました。ライセンスは「表示-非営利-改変禁止」です。

まぁ僕は常日頃から「消費者がコンテンツに興味持ってくれてる証なんだから、ちょっとくらいの違法コピーくらい大目に見なよ」とか「多くのクリエイターにとって、一番の喜びは多くの人に作品が享受されること。商売にならなきゃ食っていけないけど、でも実際それを一番大きいプライオリティーにして創作してる人は多いよね」とか、コンテンツホルダーの人にとってはふざけるな的なことをいろいろな場所で(それこそ文化審議会でも)言ってるから、多分いろいろなところに敵がいるような気もしないでもないのだけど、せめて言ってることとやってることはきちんと一致させたいとも思うので、このブログは2002年1月に開設したときから無断転載や雑誌掲載、何なら勝手な商用利用まで含めて認めてきたわけです。

そうじゃないと、「共有を強制するような言説をするフリーライダーは、赤い共産主義者であり全体主義者でありプロレタリア独裁であり、消費するだけのわがままロム野郎だ。そしてそういう奴に限って自分はクリエイティブコモンズ宣言をしてなかったりする。」とか言われちゃうしね!(あ、でもこの人今僕がサブパーソナリティーとして出演させてもらってるTBSラジオ「Life」のリスナーさんなんですね。ありがたい話です。僕は彼のブログに書かれている意見にはことごとく首肯できないけど、彼みたいな考えを持ってる人とか、フリーライダー的自分勝手な消費者に嫌気がさしてる徳保さんみたいな人にも、この本は読まれて欲しいと思うな。反論上等ここから始まるコンテンツ議論があっていいよね、みたいな感じですかね)

ネタばらしをすると、実は『だれが「音楽」を殺すのか?』出版したときも、本当はクリエイティブ・コモンズで出したかったんですよ。散々本文でユーザーのコピーを狭めるような音楽業界の硬直化を批判しておきながら、奥付では「本書の一部または全部について(ソフトウェアおよびプログラムを含む株式会社翔泳社から文書による許諾を得ずに、いかなる方法においても無断で複写、複製することは禁じられています。」と書いてあることの情けなさというか脱力感といったらもう……。実際、円堂都司昭さんから鋭いツッコミを受けたりもしました。

これは完全に俺が悪くて、「そういえばこんな本出すのに、奥付で厳しい著作権表示するのはどうなの?」と気付いたのは、発売日のほぼ3週間前みたいな状態で、担当編集の毛利さん(もちろん、CONTENT'S FUTUREの担当編集でもある)に、「この本クリエイティブ・コモンズで出せませんか?」と聞いてみたら、「いや、それは弊社法務通さないといけないし、発売日考えると現実的に無理です」という至極まっとうな回答が返ってきて断念せざるを得なかったわけですね。俺の原稿仕上がるのがそれこそあと1〜2週間早ければ、あの本もクリエイティブ・コモンズとして発刊できたので、そういう意味では今回翔泳社の法務も納得する形で本書をクリエイティブ・コモンズにできたのは、もうまさに「江戸の敵を長崎で」みたいな感じで感慨深いものがあります。

で、本書発売を記念して正式発売日の8月2日(木)に東池袋の「リブロ東池袋店」(トヨタアムッラクスビル横)で、小寺さんと僕のトークショーを行うことになりました。

●小寺信良×津田大介 コンテンツの未来を探る対話集
『CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ』出版記念 載せられなかった危ない話〜“CONTENT'S FUTURE" アウトトラックス

AV機器やテレビ放送など映像メディアのジャーナリスト小寺信良さんと、音楽とネットと著作権問題のオーソリティ津田大介さんによる共著『CONTENT'S FUTURE』翔泳社刊の出版を記念して、変革の時代を迎えたコンテンツとメディアの未来を探る対談形式のトークショーを開催します。

『CONTENT'S FUTURE』には収録できなかったキワドイ話題や、時事性の高い最新のトピックスを取り上げ、放送とネットが対立から融合へと激動する2007年、メディア・コンテンツ・クリエイターが抱えるさまざまな問題を浮き彫りにします。ライブならではのオフレコギリギリぶっちゃけトークにもご期待ください。

開催日時:8月2日(木) 午後7時スタート9時終了予定
開催場所:リブロ東池袋店内 カフェリブロ
募集定員:60名
参加費 :2,000円(ワンドリンク付)
申込み方法:リブロ東池袋店まで今すぐお電話で
03−5954−7730

この本、かなりページ数は多く文字量も詰め込んでるんですが、それでもカットした内容がたくさんあるんですよ。皆さんにインタビューしにいったとき、大体平均で2時間くらいずっと濃い話をしたので、それを文字起こしするだけでもかなりの量になって泣く泣く落とさざるを得なかった話も多いんです。トークショーではそういう話もしつつ、ライブイベントなのでコンテンツ業界にまつわるいろいろな身も蓋もない話とか、ブログレポート禁止(笑)の際どい話題とかも刺されない程度にできればとは思ってます。

と、ここまで宣伝オンリーで長文エントリを書いたわけですが、もうすっかりオメガな僕のブログですからあんま目立たない可能性もありそうですよね実際。なので、今回の発売記念キャンペーンとして、これから毎日発売日まで本書の内容に関連する長文のエントリを更新していくということをここに宣言します!!

フジロック行けるのかとか、そういうのっぴきならない状況はありますが、頑張りますよ! コンテンツに興味ある人は絶対に読んで絶対に損はしない内容になったという自負はありますので、皆さんぜひご購入いただき、時間あったらぜひ8月2日のトークショーにも遊びに来てくださいませ。

| お知らせ | この記事のURI | Posted at 21時34分 |

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