2009年11月15日(日)

久しぶりの単著『Twitter社会論』が発売されました

お久しぶりの更新です。皆さんお元気でしたか。

久しぶりの単著『Twitter社会論』が洋泉社から11月7日に発売されました。ここ2年半ほどブログをほっぽらかしてTwitterに夢中だったわけですが、その経験をぎゅっと濃縮した内容になっています。

特に、社会的な評論本というと、前の共著だった『CONTENT'S FUTURE』が2年前、単著となると2004年の『だれが「音楽」を殺すのか?』が5年前というすげえ前のスパンになるので、いや寡作もいい加減にしろという話ですね。

発売から一週間経って、Twitterを中心に書評を多くいただいているんですが、概ね好評をいただいているようで、ほっとしています。

個人的にはいつまで経っても梅田望夫さんが『ウェブ進化論』の語り口でTwitterを語ってくれなかったので、しょうがなく俺が書いたという感じです。喩えて言うなら、いつまで経っても『LOVELESS』の次のアルバムを出してくれないMY BLOODY VALENTINEに業を煮やしたCOALTAR OF THE DEEPERSのNARASAKIがLOVELESSの続編的アルバム『NO THANK YOU』を出してしまったような感じと言えばわかりますでしょうか。

前書きは下記のような感じです。

「ツイッター(Twitter)が今来てるらしいよ」。ビジネスの現場で、友人との会話で、あるいは街中でそんな話を聞いたことがある人も増えているのではないだろうか。

06年7月に産声を上げたサンフランシスコ発のシンプルなネットサービスは、開始以来順調に成長を続け、シリコンバレー発の他のサービスが停滞する中、わずか3年で世界的にもっとも大きな注目を集めるようになった。ツイッターを運営する米ツイッター社は09年9月、複数の投資会社から1億ドル(約90億円)を獲得し、現在の企業価値は約10億ドル(約900億円)に達すると報道された。06年に米グーグル社が動画投稿サービス「ユーチューブ」を16億5000万ドル(約1500億円)で買収したことを考えると、現在のツイッター社は、「メディア革命」を起こしたユーチューブの買収時に迫るメディア価値を持ちつつあると言っても過言ではないだろう。

ではなぜ、ツイッターはここまでユーザーから圧倒的な支持を受け、類似サービスとの激しい競争の中、グーグルやマイクロソフトといった巨人たちに吸収されずに独自のスタンスを貫けているのだろうか。

それはひとえに、ネットの世界にいち早くリアルタイム・ウェブの潮流を持ち込み、140字という限られた文字数で放送メディア並みの瞬間的情報伝播力を持たせることに成功したからである。これまで分断されている部分が多かったネットの世界と現実社会を「リアルタイム性」によって融合させたツイッターの功績は、とてつもなく大きい。

しかし一方で、ツイッターのことをよく知らない人に、ツイッターの何が革新的なのか、どこが面白いのか説明するのは困難を極める。基本的には、今現在自分が何をしているのかを140字以内で投稿し、同じように投稿された他人の他愛ない日常を読む、たったそれだけのサービスだからだ。だが事実として既に全世界で5500万人近くのユーザーを抱え、彼らの日々の記録をグーグルやマイクロソフトが大金を払って利用しようとしている。ここには一過性のブームでは片付けられない貴重な価値が間違いなく眠っているのだ。

本書はこの大きな可能性を秘めているツイッターについて、「ネットと現実社会のつながり」という社会的側面から考察を加えたものだ。第1章では、ツイッターの生い立ちからこれまでに至る経緯、また、ツイッターにどのような特徴があってユーザーはそれぞれどのような形でツイッターを使っているのかを分析・紹介する。

第2章では、第1章で紹介した特徴を踏まえ、07年4月から現在に至るまで筆者がツイッターをどのように使ってきたのか個人史を紹介しつつ、「tsudaる」とも呼ばれるツイッターを使ったリアルタイム中継について具体的な方法や効能を紹介する。

第3章ではツイッターがメディアやジャーナリズム、政治・政策、ビジネスの現場など、現実社会に対してもたらした様々なインパクトを具体的な事例を元に紐解き、今後それらがツイッターによってどう変わっていくのかを考察する。

そして巻末には、利用開始から驚異的なスピードでツイッターを使いこなし、そのメディアとしての可能性を実践的に考察されてきた勝間和代さんとの対談を収録する。

本書は「社会論」という大仰なタイトルを掲げているが、社会全体の仕組みをシステム的に考察するものではない。そうではなく、現実社会がツイッターという新しいサービスによってどのような変化に晒されているのか、ツイッターユーザーという立場で「現場」から書かれたルポルタージュのようなものと理解してもらった方がいいだろう。

ときに扇情的で、ときに知的興奮に満ち、ときに新たな出会いをもたらし、ときに欲求不満の解消場所となる――本書を読むことでそんな混沌としたツイッターの魅力と可能性の一端を知ってもらうことができれば、筆者にとってこれに勝る幸いはない。

タイトルの「社会論」はぶっちゃけ、同時期にたくさんのTwitter関連本がたくさん発売されて、タイトル候補案のかぶりとかがたくさんあったので、仕方なくこれになったっぽい部分はあります。サブタイトルが「新たなリアルタイム・ウェブの潮流」なんですが、本当のタイトルはそっちなんですよね。ただ、Twitterがテーマなので、Twitterを書名に入れるのはマストだったというところで、このへんが落としどころだったと。

当然のことながら『Twitter社会論』なので、「音楽」でも「配信」でもない書籍です。その本にそういう音楽配信情報的なものを求めている人にとっては、期待を裏切ることになるかもしれません。

音楽配信メモ、とても楽しかったのですが、正直音楽“業界”の変わらなさにウンザリしてたりもするので、多分近いうちに発展的解消という名のサイトリニューアル(名称変更)みたいなものも考えております。

音楽とも配信とも関係ないんですけど、音ハメの輸入権騒ぎとかCCCD騒ぎとかオリコン訴訟問題とか、そのあとMIAUにつながっていく活動とか、あのへんを楽しく読んでくれていた人にとっては、確実に地続きの内容になっているので、楽しく読めるかと思います。新書で777円とお求めやすい価格なので、全般的な満足度はあるかと思います。損はさせませんので、ぜひお買い求め頂ければありがたいです!

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)
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おすすめ平均
starsTwitterを客観的に理解したい人に勧める本
stars良著です
stars異論もあるけど、刺激的な本
starsそんなに考えてないのに(から?)希望を感じる
stars読みやすい、深い

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