2004年12月17日(金)

【だれが「音楽」を殺すのか? 番外編】洋楽が日本盤しか入手できなくなったらどうすればいいか?

来年1月からの施行が予定されている輸入権。禁止期間もパブリックコメント募集した割りには4年と何とも空しい結果で運用が決まっているわけですが、だれが「音楽」を殺すのか?を書いたときに、輸入権絡みの原稿でボツになった箇所がありまして、せっかくなのでここに掲載しておこうと思います。まぁCDの個人輸入ガイドなんですが。英語の文字列で全角が多いのは縦書きの本だった名残です。

●洋楽が日本盤しか入手できなくなったらどうすればいいか?

輸入権問題に関しては、まだ文化庁とレコード協会、そして税関すべてが現実的にどのような「運用」をすればいいのか、公式な見解を示せていないのが現状だ。そんな中、一部の海外CD通販サイトでは、日本盤の発売が予定されている輸入盤に「NOT EXPORTABLE TO JAPAN」の表示が付いて販売され、「早速輸入権が行使されたのか?」と問題になったりもした。

実際、今は法案が施行されてみなければ、どう状況が変化するのか読めない状況にある。だったら、いざ法律や税関で輸入盤が止まってしまったときでもあわてないよう、今からインターネットで輸入盤を個人輸入するやり方を覚えておくのがいいだろう。

 Amazonユーザーなら一番敷居が低い
 世界各地のAmazon利用


総合通販サイトとして世界中に展開し、急成長を遂げているAmazon。日本においても、1500円以上の購入で送料が無料になるという大胆な戦略でCDのみならず、書籍、ゲーム、DVDなどで国内最大規模の通販サイトに成長している。実際、最近はほとんどの品物をAmazonで購入するという人も増えている。本書の読者にもAmazonの利用者は少なくないだろう。

Amazonの便利さは一度クレジットカード情報をサイトに登録してしまえば、1クリックで商品を買えるそのシステムにある(1クリック商品購入システムはAmazonの特許となっており、アップルコンピューターは、音楽配信サービス「iTunes Music Store」を開始するにあたり、Amazonからこの特許に対してライセンス料金を払い、1クリックで楽曲をダウンロード購入できるようにしている)。日本のみならず、どの国のAmazonでもこの1クリック購入システムは利用できるので、海外のAmazonでも、配送先の住所やクレジットカードの情報さえ登録してしまえば、あとは日本のサイトほぼ同じ感覚で購入できるだろう。

日本以外で展開されているAmazonは以下の5カ国。米国(amazon.com)、英国(amazon.co.uk)、カナダ(amazon.ca)、ドイツ(amazon.de)、フランス(amazon.fr)だ。このうち、送料やカタログ、価格面において日本でも有用なのは、米国とカナダのAmazonだろう。海外通販の場合、いくらCDを購入しても送料は無料にならないが、一般的には日本円で700円から1200円程度の送料で利用できる。そもそも向こうではCDの価格が安いので、大量にCDを購入する場合、日本で発売されている同じ輸入盤を買うより安く済むことがあるので覚えておこう。

英国のAmazonは比較的価格、送料が高めだが、米国、カナダでは購入できない商品が売っているケースもあるので、両者で入手できない商品がある場合はチェックしておきたい。

ドイツ、フランスのAmazonは、言語の壁があるので、購入する前の個人情報登録などで比較的苦労するかもしれない。だが、基本的なインターフェース自体は同じなので翻訳サイトや、辞書サイトを活用すれば利用できないことはないだろう。ドイツのAmazonは、米国、カナダ、英国では入手の難しいジャーマンニューウェーブの再発盤やドイツのテクノ系アーティストのCDなどが簡単に注文できたりするので、その筋が好きな人はぜひ利用したい。一方フランスのAmazonは、他国と比べて価格がかなり高いので、よほどレアな盤がここでしか見つからないといったケースでもなければ日本から利用する価値はあまりないだろう。

Amazonで個人輸入をする際に覚えておきたいのは、「zShops」の商品もチェックすることだ。zShopsとは、Amazonのインフラと集客を利用してオンライン販売が行える個人商売の支援サービスで、日本における「マーケットプレイス」機能に当たる。既に廃盤になってしまったマイナーなレーベルの輸入盤などもzShopsなら比較的簡単に見つけることができるので、商品検索時にカテゴリーのドロップダウンメニューから「zShops」を選択して探してみるようにしよう。

 そのほかの個人輸入サイト

海外のAmazonを利用すればたいていの輸入盤は何とかなるような気もするが、実はAmazonは「権利的に問題が生じそうな商品」の輸出には敏感だ。米国のAmazonで買える商品の中には、日本に輸出できないものが結構あったりする。現在のところCDでそうしたものは見あたらないが、今後輸入権が適用されて日本のレコード会社や欧米メジャーが特定の商品に対して「日本輸出禁止措置」を依頼すれば、Amazon側がその対応をする可能性は十分あるだろう。

ここでは、Amazonで輸入盤が購入できなくなった場合のほかの選択肢(通販サイト)を紹介しよう。新品では入手不可でも、中古盤なら輸入権の適用範囲外になるし、新品でも複数のサイトを当たればどこかのサイトでは入手できるはずだ。

●GEMM
http://www.gemm.com/
世界中の中古LP、CDショップを集めた世界最大のオンラインレコードショップ連合会。とにかくたくさんのお店が登録されており、登録されているすべてのお店のカタログを横断検索できるのが便利。当然品揃えも最高レベルだ。レアな貴重盤も(お金に糸目さえ付けなければ)簡単に手に入るのはうれしい。ただし、登録されているお店によって対応がまったく異なり、在庫管理がいい加減な店も多い。「ハズレ」の店で買うと半年以上待たされることもあるので注意したい。一度購入すると英語のSPAMメールが増えるという話もあるし、ものが中古だけにトラブルも少なくない。トラブルがあったときや、発送が遅れているときにある程度英語で交渉できる人向けのサイトとも言える。サイトの機能としては、「My Want List」というものがあり、これを登録しておけば、欲しいアイテムの新着情報がメールが届く。ネット通販上級者向けのサイトではあるが、レア盤ハンターにとっては最高のサイトとも言えるだろう。


●VINYL TAP JAPAN
http://www.dot-advance.com/v/
イギリスのウェストヨークシャーにあるレアレコード、CD、Tシャツ、カセットなどを扱うコレクターズショップ「Vinyl Tap Records」の日本版。何よりうれしいのは、問い合わせなどがすべて日本語で行えるところ。レアな輸入盤を探している海外通販初心者が安心して利用できるサイトと言えるだろう。サイト上で価格が日本円で表記されるのも便利だ。送料は12インチLPやTシャツ、ビデオが7.5ポンド〜、7インチLPやCDが3ポンド〜と比較的安い。


●eil.com
http://eil.com/
イギリスにあるレア盤・限定版専門ショップ。価格は若干高めだが、お宝アイテムが満載で、かなりマニアックアイテム(PV、ポスター)なども扱っている。日本では入手できない海外アーティストのPVをここで購入する人も多い。関連アーティスト検索機能も強力で、普通にリンクをたどるだけでもいろいろな商品が見つかるのも面白い。メニューや注文自体は英語だが、日本人向けにローマ字の説明ページがあるし、価格や送料が円で表示される。多少英語力がある人なら問題なく利用できるだろう。


●MusicStack
http://www.musicstack.com/
GEMMと並ぶオンラインCDショップモール。GEMMと比べると品揃えは落ちるが、ウェブサイトのインターフェース自体はGEMMより使いやすい。ブラウザーが検索した履歴を覚えておいてくれるので、数日後訪れたときでも、すぐに同じ条件で検索できる。日本円で価格を表示させることも可能。ただし、GEMMと同じように、一部のショップの対応が非常に悪いという話なので、利用する際は十分な注意が必要だ。


●Netsounds
http://www.netsounds.com/
イギリス最大のオンラインCDショップモール。GEMM、MusicStackなどと同じように、複数のショップの連合通販サイト。CDだけでなく、LPや12インチなどかなりのカタログ数を誇る。検索時の設定で日本円を設定すると、日本円で料金が表示されるのも便利。レア盤、限定盤なども取り扱っている。


●101cd.com
http://www.101cd.com/
イギリスにあるCD、DVD、ゲームを販売する総合サイト。とにかく逆輸入盤に強く、同じアイテムでも日本盤やドイツ盤、オランダ盤、オーストラリア盤など、新品で幅広く取りそろえているのが特徴。「このアルバムの○○盤はレアトラックが入っているんだ」とか「好きなアルバムは全カ国語揃える」といった究極の“CD廃人”は要チェックのサイトだ。価格も全般的に安い。


●Sound World
http://www.soundworld.com.au/
●chaos music
http://www.chaosmusic.com/
●hmv.com.au
http://www.hmv.com.au/
オーストラリアのCD通販サイト。オーストラリアやニュージーランド出身アーティストの限定物や、入手困難なCDもここなら比較的容易に手に入る。ただし、アルバムの価格相場が全体的に高め。


●eBay
http://www.ebay.com/
言わずとしれた世界最大のオークションサイト。日本ではオークションと言えばYahoo!だが、海外ではeBayが主流。オークションなので、欲しいアイテムが必ず買えるわけではないが、入札者が少なければ思いの外安く買えることも。相手が個人の場合、送金に苦労するケースもあるが、Paypalというメール送金システムに登録すれば、比較的簡単に送金できる。慣れてきたら日本でしか売られていないアーティストの限定物を海外在住者向けに出品するという荒技も。海外では日本の洋楽国内盤に付く「帯」の人気が高く、出品時に「W/OBI」という記号を付けておくと、高値で取引される。国内盤で一儲けしたい人はeBayを要チェックだ。

| 輸入権問題 | この記事のURI | Posted at 17時00分 |

_EOF_