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ナタリーってこうなってたのか 表紙

ナタリーってこうなってたのか

大山卓也 著 / 双葉社

ISBN:978-4575307009 / 版型:18.2×12×1.2cm
ページ数:184ページ / 定価:1080円(税込)

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2004年11月18日(木)

米アップル、日本で音楽配信・来春メドに10万曲

ついに具体的な条件などが記載された形でソース記事が登場。「邦楽を中心に国内最大級となる10万曲以上をそろえる考え」と書いており、ここから推測するに米アップルか日アップルの関係者から日経記者に何らかのリークがあったことは間違いない感じ。未確認ながらJ-WAVEのジョン・カビラの番組では「3月からスタート」という情報もあったとか。

当然MoraにCDバーニング認めた東芝EMIは提供するだろうし、ワーナー、ユニバーサルといった外資系やエイベックスも追随することは間違いない感じ。水面下では多分もうアップルと日本のレコード会社の交渉はスタートしていて、ある程度楽曲提供を受ける目鼻が付いたからこのリークがあったんじゃないかな。10万曲以上って数字から考えても1社だけでなく、数社は前向きな回答をもらってると考えていいだろう。

もうiTMSが日本で始まるのは間違いない状況っぽいが、そうなると気になるのは以下のポイント。

●99セント/曲の価格はどうなる?
今、為替レートが急激に円高になってるので99セントをそのまま適用すると1曲約103円ということになる。理想としては「99円or100円」なんだろうけど、これはさすがに無理なんじゃないだろうか。既に先行している着うたフルの価格が1曲300円程度ということを考えると、いきなりPC向け音楽配信だけドラスティックに下げるということは考えにくい。この前も書いたが落としどころはMoraで提供されている楽曲の最低価格150円くらいになるんじゃないだろうか。多分これが消費者にとってそこそこ魅力的であり(割安感がでてきて)、レーベルにとっても認められるギリギリの価格だよね。米国は0.99ドルだけど、ヨーロッパは0.99ユーロ。今の為替レートだと約135円/曲。ヨーロッパの水準で考えれば150円もまぁ高くないかなという感じではある。120円とかにしたら頑張ったなぁという感じになるだろうけど。

あともう1つ気になるのがアルバム価格。米国の場合1アルバム9.99ドルという価格設定になっている。つまり、アルバムはシングル(単曲)の10倍ということ。恐らく日本もこうなるんじゃないかと思う。となると、さっきの単曲の価格設定が問題になってくる。ここで150円にすると1アルバム1500円になる。メジャーのアルバムが1500円になって、それがCD-Rに焼ければ結構お得感は出るよね。逆に1アルバム1200円と考えると、その価格設定はありえないだろうなぁとも思う。アルバム価格も考慮に入れるとやっぱり落としどころは150〜180円って感じになるだろう。でもここで中途半端に180円とかにすると、失敗するような気もするね。アルバムが1500円というのはかなり安い感じがするけど、所詮圧縮音源だし、ジャケットも付かないわけだからこれくらい価格差を付けるというのも全然アリだ。多くの音楽ファンにとってCDが「本物」としてのバリューをまだ持っているしね。願わくばiTMSでは1アルバム1500円、CDは2200〜2500円くらいに値下げしてくれればかなり音楽を買いやすくなる環境ができるように思う。

●DRMは?
スティーブ・ジョブズはかねてから「全世界共通のサービスレベルでやらないと意味がない」と言っている。その意味では日本でもFairPlayが適用されるとみていいだろう。先日Moraがポータブル機器への転送を無制限にしたり、CDバーニングを認めたのも、iTMSがFairPlayそのままで入ってくるということを証明しているとも言える。そりゃこんな状況になったらCCCDなんて出してる場合じゃないですわなぁ。

●インディーへの目配せは?
米国のiTMSはインディーにも最近力を入れているけど、日本の場合、もしかしたらインディーの方がiTMSを使ったときのメリットが大きいかもしれない。ネットをうまく使ってプロモーションできるしね。「日本ブレイク工業社歌」がヒットしたとき、あれが150円・1クリックで買えたら売れた桁数も違ったんじゃないだろうか。

●試聴音源は?
今のところメジャーが用意している試聴音源は音質が悪いものが多い。最近ようやくMoraが売っているものと同じ132Kbpsのビットレートで試聴を始めるようになったが、すべてのレーベルの楽曲がそうだというわけでもない。このあたりの作業をアップル側が行うのかそれともレーベルにやらせるのか。このあたりも気になるところではある。


とりあえずこのリリースから出てきた疑問はそんなところ。Mora・MusicDropのCDバーニングを東芝EMIに続いてどこが認めるかということを注視していけば、今後そのレーベルがiTMSに参入するかどうかということを判断するリトマス試験紙になるかもね。

| 音楽配信 | この記事のURI | Posted at 13時03分 |

2004年11月17日(水)

コーネリアスやビースティ等の楽曲無料配信中!コピーも焼くのも自由

クリエイティブ・コモンズの趣旨に賛同したアーティストによるコンピレーション。米国のWIRED誌にCDが付属し、その音源はいくらコピーしても、ファイル交換に流してもOKとのこと。

サンプリングのライセンスも規定されていて、これらの楽曲をサンプリングして「広告以外の目的」でなら利用できる。マッシュアップするのも自由ってことだね。今までCCは学者の人達の机上の空論的なところで、きちんとした「質」の伴うものとなると少なかったんだけど、これだけ有名なアーティストが楽曲を提供してきて、それが自由に利用できるというのはとてもインパクトがある。付属CDの音源はCCのサイト上でMP3で無料公開されているので、聴きたい人は要チェック。

日本でもこういう動きが出てきて欲しいね。コーネリアスは参加してるけど。

ちなみにこのCCCD(クリエイティブ・コモンズのCD)、第2弾も予定されてるとのこと。

| 音楽配信 | この記事のURI | Posted at 15時52分 |

2004年11月16日(火)

日本のメジャーレコード会社がファイル交換ソフトユーザーへの個人訴訟を開始

ファイル交換ソフトを利用した音楽ファイル不正アップロードユーザーの発信者情報開示請求手続き開始
エイベックスなど7社、ファイル交換ソフトユーザーの身元開示請求を開始
レコ協加盟7社、ISP8社へ不正アップロードユーザーの情報開示を請求
レーベルが強力な権利を持つ米国とは違い、日本の場合、権利的にそこまで強力なものを日本のレコード会社は持っておらず、RIAAのような「個人訴訟戦略」は成り立たないのでは、という話を音楽業界の関係者に聞いていたこともあったので今回のこれは正直なところ意外。

ITmediaの記事から引用。

レコード協会では、3月からP2Pソフトを利用しての不正アップロードを行っているユーザーに対してインスタントメッセージによる警告を行っており、今年4月にはその警告数は60万、現在では400万件を突破している。

インスタントメッセージによる警告ということなので、WinMXでの送信可能化権侵害への対抗措置ということなのだろう。
「あなたのUpは違法行為です」レコ協の警告メッセージが60万件を突破

ただ、Winnyなんかではアルバムをzipの無圧縮で固めたものがそこそこ広く出回っている現状があったりするわけで、こっちの方は警告すらできないわけだ。Winnyの方はどうするんだろうね。風の噂レベルだと今月「Winnyユーザー」の逮捕があるんじゃないか、みたいな話も聞くけど……。もし仮に「音楽を共有していたWinnyユーザー」が逮捕されたとしたら、いろいろなことが符号してくるね(といってもホントにこれは噂レベルの話なので、実際に逮捕がなくても俺に文句は言わないでくださいね)。

CCCD廃止の流れの中で、違法ユーザーに対しては毅然とした態度で身元開示要求や訴訟をちらつかせて脅していくというのは、違法コピー対策を考えたときに十分選択肢の1つにはなるだろう。でも、これが唯一無二の「正しい回答」だとはとても思えない。特に、レコード会社に対する消費者からの風当たりが強くなっている今のタイミングでやるのはどうなのよ? という部分もある。レコ協加盟社の中で7社しか参加していないというのも、象徴的だ。

もう1つの興味は、違法なファイル交換ソフトユーザーを突き止めた手段がJASRACが開発したJ-MUSEを使って連携したものなのか、それとも外部業者にアウトソーシングしたデータ(レコ協の調査はそういう違法行為を行っているユーザーのIPアドレスなどを調査する専門の会社にアウトソーシングしているはず。映画なんかは既にそうしている)を使ってやっているのかということ。「ACCSやJASRAC、ISPと連携してやっていく」と書かれているが、それぞれで立場は違うし、法的にもかなり微妙な問題を含んでいるので、実際の今回の請求はプロパガンダ的な意味合いが強い(実際に個人への“多額の”民事訴訟が行われることはない)んじゃないだろうかと思う。

| ファイル交換ソフト | この記事のURI | Posted at 17時11分 |

2004年11月15日(月)

【旬を読む X氏の一冊】作家 モブ・ノリオ 『ECDIARY』

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ECDの日記を書籍化したECDIARY。これに対するヒップホップ出身の芥川賞作家モブ・ノリオによる書評。ECDの人となりや、彼が今までやってきたことに触れつつ、ヒップホップの在り方についても述べている。

「(前略)CDが売れないとレコード会社が嘆くのに反して音楽そのものは盛んなのである。底辺は豊かなのだ。」

「底辺」と彼が呼ぶ音楽活動の現場周辺で、言葉を扱うラッパー自身が日常の雑感を書きとめた日記には、「豊か」としか言いようのない自由がある。自分の言葉で考えること・考えようとすることこそ、自由の本質であるし、何よりもヒップホップ、ラップというのはここから始まった表現形式にして生活態度であることを思い起こせば、現実がある限り、小説同様、個人レベルの表現の可能性はまだまだあるのではないだろうか。

個人レベルの表現という意味では、人気ウェブサイト・ブログの出版というのも、個人レベルの表現の可能性を広げるものだろう。そういう本っていろいろあるし、数年前は正直なところ「けっ」とか思っていたけど、実際にそういうものを手にとって読んでみると、当たり前の話だけど元々が力のあるコンテンツならば本にしたときに非常におもしろいのだ。

今のブログはあまりにコモディティ化し過ぎていて、真に有益な情報が見つからないって嘆く人もいるけど、コンテンツとして力のあるものはきちんと出てきているし、力があるからこそ、しかるべきところからお呼びがかかるのだろう。ブログが単なるツールから使いやすいインターフェース、サービスに進化し、人々は「書くこと」だけに集中することができるようになった。モブ・ノリオの言葉を借りれば「“ヒップホップ的な”自分で考え、表現すること」がより純化した形でできるようになったとも言える。でも、そんな時代だからこそ、書かれていることの「質」だったり「多くの人に伝わりやすい言葉」ってものが求められているのではないだろうか。

音殺を作るときに、本当にいろいろな音楽業界に関係する人から話を聞いた。それぞれの立場はみんな違ったけど、みんな現状分析はできているし、問題意識もほとんどの人が同じだった。ただ、それを現実の戦略だったり、文章だったり、何らかの形で「アウトプット」できない(それは立場的にアウトプットできないという人もいたし、問題意識を言語化できないという人もいた)のだ。それが、リスナーと音楽業界の間の溝を深くしてるんじゃないかと俺は思ってる。言われてるほどみんなバカじゃないし、自分達のメシのことだから一生懸命考えてるんだよ。

だから、なんとかして両者が納得しあえるポイントを探したいし、リスナーの側も「納得(全面肯定)」はできなくても(なぜそういう行動に出たのか、あるいはそういう発言をしているのか)「理解」してあげるくらいの度量は必要なんじゃないかと。それで「理解」もできないようなヤツって、多分本質的に「音楽業界なんてどうなってもいい」と思ってる人だと思うんだよね。ブログで音楽業界批判してるヤツは多いけど、それは音楽がなくなると困る音楽ジャンキーか、様々な娯楽の中からたまたま音楽を適当に選択しているヤツかで温度差が絶対にある。俺は音楽が聴けなくなったら(より正確に言うと、新しい音楽と出会えなくなったら)困るから、そうならないためにはどうすりゃいいのかとか、実際に俺はどんなことができるのかなぁみたいなことを最近はずっと考えてますよ。

| 音楽業界全般 | この記事のURI | Posted at 17時32分 |

2004年11月12日(金)

30〜50代に音楽の魅力を…「LIFE−」プロジェクトが始動

音制連によるプロジェクト。エルダーマーケットへのマーケティング不足はここ数年ずっと言われてきたことで、制作者側が大々的にこういうプロジェクトを行う(きちんと会見まで行ってやる)ことの意味は少なくないと思う。うまい形で結実させて欲しいけど、実はこのあたりの層って、リスニングスタイルが「大人」だとは限らないんだよね。40近くでテクノバリバリ聴いてクラブ行ってるなんて人もいれば、オレンジレンジ聴いてるおっさんなんてのもいるし。多様化したニーズはあるけど、単純にそれがCD購入っていう形につながりにくくなっている部分が大きいような気が。コンテンツの提示戦略を立てるというより、販売チャネルの戦略を考えた方が現実的に数字に結びつくような気はするがどうか。

| コンテンツ戦略 | この記事のURI | Posted at 22時13分 |

日本版iTunes Music Storeは来年の夏?

山崎潤一郎氏のブログで、日本版iTMSが始まる時期についての推測が。以下引用。

先日、アップルコンピュータのある幹部と会食をした際、希望的な観測としつつも「来年の夏までにはなんとかしたい」といった、有難いお言葉も聞けたし、ますますもって楽しみだ。

ここ1カ月くらいでたくさんの雑誌に音楽配信やらCCCDについてのことを書いた。どの原稿でも「来年音楽業界がiTMSを認める方向に行くのは間違いないだろう」といった趣旨のことを書いているが、実際のところ具体的に始まる時期については俺も分からない。今後の調整次第といった感じのようだ。

山崎さんは「夏」と推測しているが、俺もそれくらいだとは思う。第二四半期から第三四半期の間くらいで調整されるんじゃないだろうか。あとは価格がどうなるかだよね。日本の場合、さすがに99円というわけにはいかないだろうから、現在Moraで提供されている楽曲のうちの最低価格である150円あたりに統一して落ち着かせるのではないかと思う。

| 音楽配信 | この記事のURI | Posted at 19時40分 |

Amazonの「輸入盤掘り出し市」、ジャンル&取り扱いタイトル増強

古めのロックやジャズなどが中心だったAmazonの輸入盤掘り出し市、かなりバラエティが増えてます。Dance & Electronicには中古盤にあまり出回らず、値崩れも起こしにくいテクノの名盤がいろいろ登録されてて、しかもかなり安い。ちょっと前まで掘り出し市はセールと比べると高いという印象(価格帯の中心は1300〜1500円前後)があったんだけど、最近の円高傾向を反映してか、一時期のセール並みの値段に下がった(1100〜1300円前後)感じ。UK盤も安くなったねぇ。

| Amazonネタ | この記事のURI | Posted at 18時38分 |

東芝EMI、Mora/MusicDropで10回までのCD書出しを許可

先日投稿した記事のWeb版ニュース記事が。Windows Mediaを使ったレーベルゲートの音楽配信MusicDropの方でも同じポリシー(CD-Rへの書き込みが10回までOK、WMA対応機器へのチェックアウト回数が無制限)で運用される。このポリシーが音楽業界でスタンダードなものになれば、あとはサービスレベルでの競争が起きるだろうし、最終的には価格的にも下がっていく方向になるだろう。いずれにせよ当分は音楽配信で儲けることなんてできないんだから、2〜3年は「種まき」の時期だと割り切って、価格的にも使い勝手的にも消費者にとって魅力あるサービスを実現して欲しいところ。

| 音楽配信 | この記事のURI | Posted at 18時03分 |

Moraで東芝EMIの楽曲がCD-Rバーニング可能に

以下上記リンク先より引用。

楽曲使用ルール変更のご案内

2004 年 11 月 17 日(水)正午より、 Mora でダウンロード可能な東芝 EMI 様の楽曲について、楽曲使用ルールが変更となります。新しい楽曲使用ルールは以下となります。

・OpenMG対応機器への転送が、回数の制限無く行うことができます。
・音楽CDとしての書き込みが、1曲につき10回まで行う事ができます。

※ 2004 年 11 月 17 日正午より前に購入されました楽曲につきましては、上記楽曲使用ルールでのご利用はできませんので、何卒ご了承下さいます様お願いいたします。

※他のレコード会社様の楽曲使用ルールにつきましては従来通りとなりますが、変更がある場合は実施日の約1週間前よりこのページにてお知らせいたしますので、この件に関するお問い合わせは、ご遠慮下さいます様お願い申し上げます。

11/17(SonicStage2.3 for Mora配布開始時)から、Moraで提供されている東芝EMIの楽曲がCDバーニング可能(10回まで)&OpenMG対応機器へのチェックアウトが「無制限」になる。

いやー思ったより早かったね。予想していた通り、東芝EMIがバーニング認めましたか。CCCDやりながらバーニングもやるってのは整合性って意味では訳わからないけど、悪い話じゃないし、本気でデジタル音楽に注力していくって姿勢が伺える。さて、ほかのレコード会社はどうなるかな?

| 音楽配信 | この記事のURI | Posted at 00時03分 |

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