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ナタリーってこうなってたのか 表紙

ナタリーってこうなってたのか

大山卓也 著 / 双葉社

ISBN:978-4575307009 / 版型:18.2×12×1.2cm
ページ数:184ページ / 定価:1080円(税込)

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2004年12月27日(月)

【小野島大インタビュー】ジャンル別裏ベスト10   “音楽業界”

輸入権やCCCDを巡る混乱や、6年連続となるCD出荷枚数の減少など、なかなか明るい兆しが見えない音楽業界。今回は輸入権問題でも精力的に活躍、NEW WAVEトリビュートの監修でもおなじみの音楽評論家小野島大氏に2004年の音楽業界を「10大ニュース」として語ってもらった(本稿は週刊SPA!に掲載された「ジャンル別裏ベスト10」という記事の完全版です)。

    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

CCCD撤退や輸入権、大物アーティストの独立……音楽不況と呼ばれて久しいが、今年は特にめまぐるしく状況が動いた。音楽評論家の小野島大氏は「政治経済と音楽が密接に結びついていることを強く感じさせられた年だった」と振り返る。

「とにかくめまぐるしくいろいろな動きが起きた。今までだったらレコード会社の合併とか、資本の再編成とかは音楽ファンの利益不利益に結びつかなかった現象だが、輸入権やCCCDは今後我々が音楽を聴く上で生涯を左右するような重要な問題だった」

小野島氏は音楽業界に流れる不穏な空気を「自分の好きな音楽を聴きたいときに、それが自由に聴けない感じ」と評す。

「社会の動向や経済の動向が音楽と関連するようになってきている。大げさに言えば音楽ファンはブッシュ小泉がリーダーでホントにいいの? みたいな。マイケル・ムーアなんかの動きを見てもわかるようにアメリカだってあれだけ危機感をもっている。音楽ファンも決して政治に無関心ではいられない。無関心でいたら好きな音楽が聴けなくなってしまう状況だし、そういうことに関して自覚的にならざるを得ない」

音楽業界の現場を肌で知る小野島氏の危機感は相当なものだ。そんな危機的状況の中で、何か1つでも明るい兆しはないのだろうか?

「音楽ファン一人一人が自覚して業界を良い方向に変えていこうという連帯感はダイレクトに感じることができました。良いことも悪いこともいっぱいあったけど、そういう連帯感ができたのは数少ない今年の収穫でしょうね」


(以下ベスト10ランキング)

●10位 ラフィンノーズ、17年ぶりの日比谷野音ライブ

「3人死者を出した17年前の日比谷野音は本当に痛ましい出来事だった。ちょうどラフィンノーズがインディーからメジャーに行った頃は、音楽業界的に『パンク』というものに対してきちんとした認識もなかったし、そんな状況で彼らがもがいている中であの事件が起きてしまった。

結果的にあれが彼らにとてつもない重荷を背負わせたし、彼らが活動する上での負債になっていた。17年という時間を経て今では『パンク』という言葉の意味も随分変わってしまったが、どん底を経験しながら今なお『パンク』を続けている彼らの姿勢には頭が下がる」


●9位 リスナーを大きく白けさせたエイベックスの
「お家騒動」


「ああいうお家騒動が起きたことでスポーツ新聞なんかにも取り上げられて話題にはなったけど、決してイメージアップにはならないよね(苦笑)。そこのところはプロ野球とまったく同じ。リスナーが業界に対して嫌気がさしている中でそういう自分達の都合だけで勝手な騒動が起きてしまうとこっちが白けちゃう。

エイベックスのトップ交代は『強権的なやり方はいつかしっぺ返しが来る』ということなんだと思う。お客さんである肝心のリスナーが見えていないし、それを無視して動いたらああいうことも起きる。大体今のレコード会社のトップで音楽のことを本当に愛している人がどれだけいるのか?」


●8位 大物ミュージシャンが続々再結成

「再結成っていうと、コアな音楽ファンの中には拒否反応を起こす人もいるし、どうしてもネガティブなイメージがつきまとうもの。ただ、昔と違って再結成するバンド側もそれを見に行くリスナー側もいろいろな楽しみ方ができるようになってきた。その理由ははっきりしていて音楽ファン全体が高齢化してるってことなんだよね。大体あの『ロッキンオン』ですら最近は記事の親父化が著しいし(笑)

ファン全体の年齢が上がったことで、再結成ということに対する見方が変わってきたから、今後はアーティスト側も再結成に対する後ろめたい部分が消えてくるんじゃないか。もちろん、ファンが再結成ライブに行って楽しむのは単なるノスタルジーには違いないんだけど『別にノスタルジーでもいいじゃん』ってファンが開き直れるようになったのが今だと思う。

音楽ってどうしても『新しいものだけが偉い』みたいな風潮に流されやすい。それは一面では正しいんだけど、そうではない音楽もある。過去を振り返るのは今を生きるために必要なエネルギー源。親父のノスタルジーって切り捨てるんじゃなく、純粋に日々の生きる糧として音楽を素直に楽しめばいいんじゃないかな」


●7位 ロックフェスティバルはバブルを経て安定期へ

「ロックフェスバブルのピークは恐らく2年前。今はバブルを経て安定期に入った。フェスに行く人達が棲み分けされるようになってきている。例えばフジロックは苗場の山の中で真剣に楽しもうと思ったら10万円くらいかかる。だからお金に余裕がある社会人も多い。逆にサマーソニックは幕張で済むから、客層的にお金をあまり持っていない若者が多い。ただ、やっぱりフジロックは特別。フジロックを中心にその1年が回っていくというライフスタイルが音楽ファンの中に出てきた。

定着したという意味では、夏になると毎週末どこかでやるようになったし、地方ごとにそれぞれ特色も出てきている。ただ、フェスが定着する一方で平時の単独公演が成立しにくくなっているという弊害もある。特に洋楽はある程度集客力のある力のあるアーティストでないと公演自体が成立しにくい。だから、単独じゃなくて複数のアーティストをまとめたりもしているよね。ライブビジネス全般が『フェスしか儲からない』という感じになってきているという状況。

また、アーティストとの契約形態で、フェス出演と単独来日公演がコミになってる場合も多く、多いときは年に3回ぐらい来日するときがある。当然飽きられやすくなるし、アーティストの寿命が短くなることにも繋がる。

順調に見えるフェスだけど、実はここ数年でスポンサー関係がかなりシビアになった。今まで、ロックフェスって三菱自動車がスポンサーになって結構いっぱい出してくれていたんだけど、今はもう会社が潰れるか潰れないかみたいな話になっちゃってスポンサーなんてやれるような状況じゃなくなっちゃった(苦笑)。そういうことも含めて、意外とロックビジネスって世の中の景気の動向に左右されるんだよね」


●6位 日本のジャズ・フリーミュージック周辺の
ミュージシャンがおもしろい


「音楽のジャンル的には、DCPRGとか渋さ知らズとかROVOとか、普段は新宿PIT-INとかでやっているようなジャズ・フリーミュージック周辺のミュージシャンが目立ってきた年だったと思う。彼らが音楽業界の中で力を得てきてるし、ジャズやフリーミュージックがある種スノビズムの道具として使われている面もある。菊地成孔みたいな人の露出が増えているのはそういうこと。

大友良英さんなんかも、いろいろなレコーディングやライブに呼ばれてるし、ROVOは海外ツアーなんかも精力的にやっている。彼らがジャンルを超えた活動をすることによってロックミュージシャンも即興やセッションのおもしろさをわかるようになってきたし、ロックにどんどんそういう即興的要素が取り込まれてきている」


●5位 メジャーとインディーズの棲み分けがより明確に

「佐野元春がEPICソニーから独立して、今インディーに行ったというのは象徴的な話。メジャーを離れたからといって“落ちぶれた”印象は全然ないし、独立独歩でやりたいことをやる場所としてインディーを選んだのだろう。

以前と違ってインディーだからといって食えないことはない。ロックであろうがクラブミュージックであろうがきちんと食えている人は食えている。フジロックで渋さ知らズが大トリを務めたように既にライブの世界はレコードの世界よりインディーとメジャーの垣根がなくなってきている」


●4位 リスナー主導型の新しい音楽配信サービス
「レコミュニ」が始動


「レコミュニがいいのは、リスナーが“配信業者”になれるところ。面倒な許諾業務をレコミュニが代行してくれるので、こっちは勝手にみんなに広めたい曲をアップロードすればいい。大体音楽ファンの多くは気に入ったレコードを人に聴かせたくてしょうがない。音楽評論家はそれのなれの果てみたいなもん(笑) 自分が推薦した楽曲が購入されれば自分にもポイントという形で還元されるんだから、理想的なシステムだよね。

あとは廃盤になったレコードや手に入りにくい国のレコードを見つけてそれを配信できるというのも魅力。廃盤でプレミアついているようなレコードも、ジャケットなしで圧縮かかってるけど1曲100円で買えれば喜ぶ人は多いだろうし、音楽をいろいろな人に安く開放するという意味は大きい。そもそも日本のレコード会社はたくさんカタログは販売しているけど、たいてい売れない作品は3〜4年もたったら廃盤にしてしまう。そうなるとリスナーは中古盤屋で探すという選択肢しかない。だけどレコミュニは廃盤になったレコードでもOK。現状はメジャーの許諾を得られていないし、どマイナーなインディーになるとそれはそれで交渉先が見つからなかったりして許諾が下りなかったりもする。まだまだ理想にはほど遠い状況だけど、可能性はあると思う。理想通りにことが進めば音楽ファンにとって望ましい音楽配信になるんじゃないか。

最近はミュージシャン自身がレコミュニで曲を直接販売するという意欲的な試みも見られるようになってきた。そうなるとインディーレーベルすらいらなくなるわけで、今後レコミュニの動向いかんによってはインディーズの音楽の在り方も変わる可能性がある」


●3位 音楽とIT技術の関わりが顕著に
iTunes Music Storeも全世界でブレイク


「iTunesを自分のパソコンにインストールしてから、買ってきたCDをハードディスクに入れて、ハードディスクから音楽を再生するということが当たり前になった。そうなるともはやきちんと曲名とか見なくなっちゃってて、そういう細かい部分が自分の中でどんどん意味をなくし始めてきている。IT技術は確実に音楽ファンの音楽の聴き方を変えるだけのパワーを持っている。

ネットやITがどんどん音楽に結びつく時代になって相対的に音楽雑誌の地位が低くなってきているし、今まさに存在価値が問われているんじゃないか。マニアックな個人が発信する情報に絶対音楽雑誌は勝てないし、同じ土俵で勝負してもしょうがない。ネットやITがこれだけ普及している中で音楽雑誌がどういう情報を発信していけば良いのか、それを音楽雑誌は真剣に考えなければならないんじゃないか。

ブログのいいところは更新がとにかく簡単というところ。あとはトラックバックがあることで情報の伝達速度が全然違う。ネットのない時代だったら輸入権問題のとき、あんなに短い期間であれだけの署名を集めることはできなかった。ITやネットのインフラができることで、情報が安くなり相互にアクセスしやすくなっている。実際自分もはてなアンテナ使って自分の気に入ってるサイトが上がったら見に行ってるし、ネット通販もめちゃめちゃ使ってる。Amazonとかヤバいよね。ただ、ネット通販があまりにも便利だったからついついCDを買い過ぎちゃうという悪い面もある(笑)。真面目な話、情報や音楽が手に入りやすくなってしまったことで、1枚のレコード、CDに対する“ありがたみ”や執着が薄れてしまった。このあたりはITのもたらした功罪だろう。

iTunes Music Storeに関して言えば、日本でもiPodがあれだけ普及しているのに日本版iTunes Music Storeがスタートしないのはおかしい。日本でも米国並みの価格や使い勝手でiTunes Music Storeを始めれば、大きな流れになることは間違いない。WinMXとかWinnyを使ってネット上に落ちてる音源を後ろめたい思いでダウンロードしている人って少なからずいるだろうし、そういう人は1曲100円でiTunes Music Storeが始まったら買うだろう。大体CDの3000円って価格は高すぎるよね」


●2位 大手レコード会社がCCCDから相次いで撤退

「今年の頭に自分が監修したNEW WAVEトリビュート(『Fine Time 〜 A Tribute to NEW WAVE』 Ki/oon Recordsから発売)がCCCDで発売されてしまった。ちょうどSMEがアルバムも含めて全タイトルをCCCDでリリースすることを決定した直後で、結果的に導入第一弾になるハメに。自分としてはCCCDにしたくなかったし、はっきり言えば現場もCCCDを導入することには反対だった。だが、SMEの『どんなアーティストでも例外は許さない』という方針は変わらず、最終的にCCCDでのリリースを飲まざるを得なかった。SMEはそのあとすぐそうしたすったもんだで佐野元春もいなくなってしまったよね。

自分もあのトリビュート盤がCCCDになったことで、各方面やネットでいろいろなお叱りを受けた。それなのに、SMEは全アルバム導入したわずか半年後に彼らの勝手な都合でCCCD全面撤退を発表した。振り回された人間からしてみたら『一体なんなんだよ』という思いはある。

CCCDの一番の問題点は通常のオーディオプレーヤーで再生できない可能性があるということ。にもかかわらず返品に応じない。これって『誰も責任を取らない』ってことだよね。欠陥商品売っておきながらその責任を取らないってのは、まず物を売る人間のマナーとしてなってない。今さら言ってもしょうがないけど、レコード会社がかからないプレーヤーがあったときに返品に応じていれば、みんなの心証も多少は違ったんじゃないか。まぁ、消費者をはじめから犯罪者扱いっていう素朴な部分にも腹は立つけど。

自分たちのビジネスがうまくいかない責任を消費者にしわ寄せするような姿勢は絶対に見透かされる。レコードを作っている現場で『CCCD万々歳』なんてやつは一人もいなかった。CCCDで失った信頼を回復するのはかなり大変だと思う」


●1位 突如制定された輸入権 輸入盤の今後は!?

「いろいろなニュースはあったが、自分としては輸入権の問題が一番印象深い。ただ、いろいろな努力は実らず、禁止期間は4年になってしまった。我々の希望は“禁止期間は3カ月から半年にせよ”ということだったので、4年という決定は結果的には敗北だし、くやしい結果ではある。実際に来年以降法律がどのように運用されるかまったくわからないし、向こうのレーベルが権利行使して輸入盤をストップさせる可能性はゼロではない。

輸入権がない今でも、EMIの輸入盤はとても高い。メジャーレーベルの輸入盤は、輸入部が日本に仕入れて大型店などにディストリビュートするため、利益の最大化を求めて価格が高くなる傾向がある。これは単に法律ではなくビジネス慣習の話だが、今後はこれに法的な裏付けができるということ。メジャーが輸入権を行使しなくても輸入盤の価格が高くなる可能性はあるだろう。

ただ、この問題をポジティブに捉えたい部分もある。1つは音楽ファンの署名が6万人集まったということ。また、音楽メディア関係者の署名も600人以上集まった。ジャンルとか職業とか、いろいろ立場の違う人が大同団結してレコード会社に“NO”をつきつけたということは、意義が大きい。

プロ野球再編問題もそうだけど、あれもファン不在で一方的に物事が進められていったから、それに対してファンが団結してNOをつきつけた。音楽ファンが音楽業界が変なことをしそうになったらそれをウォッチしておかしいことはおかしいと言おうという雰囲気に変わってきている。文化庁が募集した輸入権の禁止期間のパブリックコメントに多くの人が投稿してくれたりね。そういう音楽ファンの意識が向上したことは悪いことじゃない。

『終わっちゃったからしかたないね』じゃなくて、これからもきちんと監視していきますよ、ということが重要。今は草の根的にいろいろなネットワークが生まれてきている。そういう意味でも、この問題は音楽業界に音楽ファンの力を見せつけることができたんじゃないかと思う」

(小野島大プロフィール)
音楽評論家。東京都世田谷区在住。著書に『音楽ライター養成講座』(音楽之友社)、編著に『ロック・オルタナティヴ』(音楽之友社)、『NU SENSATIONS 日本のオルタナティヴ・ロック1978-1998)』 (ミュージックマガジン社)、『The DIG presents Disc Guide Series UK NEW WAVE』(シンコーミュージック)、『200 CD ヘヴィ・ロック』(立風書房)などがある。New Wave再発プロジェクト「UK New Wave Renaissance 2004」(04年2月よりリリース)の企画監修にたずさわる。

| 音楽業界全般 | この記事のURI | Posted at 01時21分 |

2004年12月25日(土)

fuckin'JASRAC.com -JASRACとかヲチしてみるサイト-

最近増えているわかりやすいアンチJASRACサイト。2ちゃんねるのJASRAC関連スレッドがまとめられていて、なかなか便利。

言葉悪いし、聞くに値しない意見も多いけど、中には鋭い意見も混じってる。ネット上ではJASRACがこう見られているってことを知るには最適かと。むしろ、これだけ多方面から「バグ出し」してもらってたら、改革していくべきポイントも分かりやすいとも言えるわけで。JASRACの若手の人とか、JASRAC以外の管理業務に携わる人は読んでおくと良いのではないかと。

| サイト紹介 | この記事のURI | Posted at 16時31分 |

2004年12月20日(月)

バブル気分はまだまだ抜けない

NHK元チーフ・プロデューサー、2千万還流させる?

逮捕されたNHKプロデューサーの話。面白かったのがここ。

詐取した金の使途について、磯野容疑者は「番組制作に協力してもらった会社の先輩後輩や音楽業界の仲間たちとの飲食費などに使った」などと、私的流用を否定しているという。

一度生活レベル上がっちゃうとなかなか落とせないのはしょうがないんだろうねぇ。音楽業界の仲間たちとの飲食費が「私的流用に当たらない」という感覚に注目したいところ。

| 音楽業界全般 | この記事のURI | Posted at 19時21分 |

ワーナーミュージックもCDバーニング開始へ

12月20日よりOCN MUSIC STOREにてワーナーの楽曲のCDバーニングが可能に。一方、国内最大のレーベルゲートの音楽配信MoraMusicDropもそれぞれ12月22日よりワーナーの楽曲のCDバーニングが可能になった。この流れでいくと恐らく近いうちにMSN Music、OnGen(有線ブロードネットワークス)でもワーナーの楽曲のCDバーニングが認められるんじゃないかな。

ワーナー、東芝EMIの両社は以前東芝EMIが中心となって行っていたdu-ub.comのメンバー。そっちのつながりで右へ倣えって感じになったのかもしれないし、単純に外資系だから本国の指示でそうなったのかもしれないね。

興味深いのはワーナーの方はCDバーニングは認めていても、ポータブル機器への転送はいまだに3回という制限があるところ。一度CDに焼いちゃえばそんな制限まったく無意味になるのに3回っていう制限をかけているのはまったくもって意味不明なわけだが、何らかの制限をかけておく(CDバーニングの10回っていう制限も意味わからないよね)ことで、「完全に自由じゃないんだよ」っていうリスナーへの示威的効果を期待したり、「完全に自由じゃないんです!」みたいな上層部への説得材料に使われているんだろうなとは思う。くだらないね。実質的に意味がないものでもかけることでメンツを守る。結果としてそのしわ寄せがリスナーの不便という形で返ってくるという意味ではCCCDと似てるのかな。
外資系はiTMSに積極的という話もあるし、今後ユニバーサルやBMGなんかもCDバーニング可能になっていく可能性は高い(ワーナーと違いユニバーサルは外資系の名を借りた民族系レコード会社だなんて話も聞いたことあるけど)。

CCCDやめたエイベックスは真っ先にCDバーニングに乗ってくるかと思ったらそういう感じでもないみたい。iTMSがどういう形でスタートするかも含めてまだまだ状況は流動的ですな。

| 音楽配信 | この記事のURI | Posted at 17時51分 |

2004年12月17日(金)

本日24:00からMOK Radio #30です

今回は記念すべき第30回&2004年の総決算として、激動の音楽業界2004年を振り返る予定。

聴き方はとても簡単。放送開始30分くらい前(23:30頃)になったらこのリンクをクリックするだけで大体の人は聴けると思います。

それでも聴けない場合、こちらの記事を参考にしてください。

よろしくお願いします。

| お知らせ | この記事のURI | Posted at 18時39分 |

ソニーBMG、2005年初めにも米国内でコピー防止機能付きCDを販売か

実は米国ではここのところCCCDは結構増えているみたいなんだよね。CDSが失敗したことで、逆にマクロビジョン以外のコピープロテクト企業的にはビジネスチャンスが到来したとも言えるわけで。サンプル盤を中心にいろいろな実験がここ1年くらい行われていたという話は聞いていた。今回のニュースはそれがとりあえず市場に投入できるレベルまで来たってことなのかね。

日本でこそ、CCCDは10月以降かなり数が少なくなったけど、東芝EMIはまだまだ強気でリリースしている。特に洋楽はほとんどCCCDになっている。まぁ「EMIの世界戦略」ってことなのだから東芝EMIにはどうしようもないんだろうけど。

今日久しぶりにディスクユニオン行ったんだけど、J-POPの新譜コーナーはホントにCCCDが少なくなってたね。で、気分良くしてオルタナコーナー見て気になってた22-20sとTrashcan Sinatras買おうと思ったら両方ともCCCDでやんの。両方ともCDだったら絶対に買ったのにホントもったいないことしてるなぁと思ったね。Trashcan SinatrasはUS盤の限定盤がCD-EXTRAだったから注文したけど、22-20sはUK盤もCCCDだし(HMVだと価格が高いバージョンもあってそっちはCDなのかな?)このまま買わない可能性も高い。大体ユニオンみたいなレコード屋に行って洋楽アーティストの日本盤しか買えないって状況もかなりアレだよね。東芝EMIは絶対にUK盤のCDを日本のレコード屋に卸すなんてことはしないだろうし。

よく『だれが「音楽」を殺すのか?』の書評で「CCCDが廃止される状況になっている今、この本は出たタイミングが悪かった」とか「もうちょっとしたら状況がヴィヴィッドじゃなくなってる」みたいな批評があるんだけど、俺の中では全然CCCD問題は終わっていないし、むしろこれからもう一山も二山もあると思っている。事実米国では増えてるし、英国でも最近はEMIが強気になってCCCDを増やしつつあるみたい。EMIは「CCCDもやるし、音楽配信のCDバーニングもやる」っていう、何ともアホな戦略を世界的にとってるわけだけど、これは確実にLonghorn時代を見越しての戦略なんだろう。2〜3年後、この問題は確実にまた俺らの前に出てこざるを得ないだろうし(それがCCCDという形で出てくるかどうかはともかくね)、いざそうなったときに問題を考える資料として音殺は役に立つんじゃないかなとは思ってますよ。

そういう自分もこういう総括記事書いてるわけだけど、結構ネットの人達でCCCD問題に関して楽観的になってる人が多い(っていうか、単純に一時的には「買えるCD」が増えたからそういう気分もよくわかることはわかるんだけどね)のは、ちょっと違和感がある。CCCDをやめたSME、エイベックスの2社にしたってどうなるかわからない。もしかしたら今回の「失敗」を教訓にしてもっとスマートなやり方で「新しいCCCD的なもの」を導入することを考えてるかもしれない。

輸入権の問題もそうだけど、結局は自分達できちんと状況を見て彼らが変なことしないようにゆるやかにプレッシャーかけていくしかないのかな、とは思う。

| CCCD | この記事のURI | Posted at 18時02分 |

【だれが「音楽」を殺すのか? 番外編】洋楽が日本盤しか入手できなくなったらどうすればいいか?

来年1月からの施行が予定されている輸入権。禁止期間もパブリックコメント募集した割りには4年と何とも空しい結果で運用が決まっているわけですが、だれが「音楽」を殺すのか?を書いたときに、輸入権絡みの原稿でボツになった箇所がありまして、せっかくなのでここに掲載しておこうと思います。まぁCDの個人輸入ガイドなんですが。英語の文字列で全角が多いのは縦書きの本だった名残です。

●洋楽が日本盤しか入手できなくなったらどうすればいいか?

輸入権問題に関しては、まだ文化庁とレコード協会、そして税関すべてが現実的にどのような「運用」をすればいいのか、公式な見解を示せていないのが現状だ。そんな中、一部の海外CD通販サイトでは、日本盤の発売が予定されている輸入盤に「NOT EXPORTABLE TO JAPAN」の表示が付いて販売され、「早速輸入権が行使されたのか?」と問題になったりもした。

実際、今は法案が施行されてみなければ、どう状況が変化するのか読めない状況にある。だったら、いざ法律や税関で輸入盤が止まってしまったときでもあわてないよう、今からインターネットで輸入盤を個人輸入するやり方を覚えておくのがいいだろう。

 Amazonユーザーなら一番敷居が低い
 世界各地のAmazon利用


総合通販サイトとして世界中に展開し、急成長を遂げているAmazon。日本においても、1500円以上の購入で送料が無料になるという大胆な戦略でCDのみならず、書籍、ゲーム、DVDなどで国内最大規模の通販サイトに成長している。実際、最近はほとんどの品物をAmazonで購入するという人も増えている。本書の読者にもAmazonの利用者は少なくないだろう。

Amazonの便利さは一度クレジットカード情報をサイトに登録してしまえば、1クリックで商品を買えるそのシステムにある(1クリック商品購入システムはAmazonの特許となっており、アップルコンピューターは、音楽配信サービス「iTunes Music Store」を開始するにあたり、Amazonからこの特許に対してライセンス料金を払い、1クリックで楽曲をダウンロード購入できるようにしている)。日本のみならず、どの国のAmazonでもこの1クリック購入システムは利用できるので、海外のAmazonでも、配送先の住所やクレジットカードの情報さえ登録してしまえば、あとは日本のサイトほぼ同じ感覚で購入できるだろう。

日本以外で展開されているAmazonは以下の5カ国。米国(amazon.com)、英国(amazon.co.uk)、カナダ(amazon.ca)、ドイツ(amazon.de)、フランス(amazon.fr)だ。このうち、送料やカタログ、価格面において日本でも有用なのは、米国とカナダのAmazonだろう。海外通販の場合、いくらCDを購入しても送料は無料にならないが、一般的には日本円で700円から1200円程度の送料で利用できる。そもそも向こうではCDの価格が安いので、大量にCDを購入する場合、日本で発売されている同じ輸入盤を買うより安く済むことがあるので覚えておこう。

英国のAmazonは比較的価格、送料が高めだが、米国、カナダでは購入できない商品が売っているケースもあるので、両者で入手できない商品がある場合はチェックしておきたい。

ドイツ、フランスのAmazonは、言語の壁があるので、購入する前の個人情報登録などで比較的苦労するかもしれない。だが、基本的なインターフェース自体は同じなので翻訳サイトや、辞書サイトを活用すれば利用できないことはないだろう。ドイツのAmazonは、米国、カナダ、英国では入手の難しいジャーマンニューウェーブの再発盤やドイツのテクノ系アーティストのCDなどが簡単に注文できたりするので、その筋が好きな人はぜひ利用したい。一方フランスのAmazonは、他国と比べて価格がかなり高いので、よほどレアな盤がここでしか見つからないといったケースでもなければ日本から利用する価値はあまりないだろう。

Amazonで個人輸入をする際に覚えておきたいのは、「zShops」の商品もチェックすることだ。zShopsとは、Amazonのインフラと集客を利用してオンライン販売が行える個人商売の支援サービスで、日本における「マーケットプレイス」機能に当たる。既に廃盤になってしまったマイナーなレーベルの輸入盤などもzShopsなら比較的簡単に見つけることができるので、商品検索時にカテゴリーのドロップダウンメニューから「zShops」を選択して探してみるようにしよう。

 そのほかの個人輸入サイト

海外のAmazonを利用すればたいていの輸入盤は何とかなるような気もするが、実はAmazonは「権利的に問題が生じそうな商品」の輸出には敏感だ。米国のAmazonで買える商品の中には、日本に輸出できないものが結構あったりする。現在のところCDでそうしたものは見あたらないが、今後輸入権が適用されて日本のレコード会社や欧米メジャーが特定の商品に対して「日本輸出禁止措置」を依頼すれば、Amazon側がその対応をする可能性は十分あるだろう。

ここでは、Amazonで輸入盤が購入できなくなった場合のほかの選択肢(通販サイト)を紹介しよう。新品では入手不可でも、中古盤なら輸入権の適用範囲外になるし、新品でも複数のサイトを当たればどこかのサイトでは入手できるはずだ。

●GEMM
http://www.gemm.com/
世界中の中古LP、CDショップを集めた世界最大のオンラインレコードショップ連合会。とにかくたくさんのお店が登録されており、登録されているすべてのお店のカタログを横断検索できるのが便利。当然品揃えも最高レベルだ。レアな貴重盤も(お金に糸目さえ付けなければ)簡単に手に入るのはうれしい。ただし、登録されているお店によって対応がまったく異なり、在庫管理がいい加減な店も多い。「ハズレ」の店で買うと半年以上待たされることもあるので注意したい。一度購入すると英語のSPAMメールが増えるという話もあるし、ものが中古だけにトラブルも少なくない。トラブルがあったときや、発送が遅れているときにある程度英語で交渉できる人向けのサイトとも言える。サイトの機能としては、「My Want List」というものがあり、これを登録しておけば、欲しいアイテムの新着情報がメールが届く。ネット通販上級者向けのサイトではあるが、レア盤ハンターにとっては最高のサイトとも言えるだろう。


●VINYL TAP JAPAN
http://www.dot-advance.com/v/
イギリスのウェストヨークシャーにあるレアレコード、CD、Tシャツ、カセットなどを扱うコレクターズショップ「Vinyl Tap Records」の日本版。何よりうれしいのは、問い合わせなどがすべて日本語で行えるところ。レアな輸入盤を探している海外通販初心者が安心して利用できるサイトと言えるだろう。サイト上で価格が日本円で表記されるのも便利だ。送料は12インチLPやTシャツ、ビデオが7.5ポンド〜、7インチLPやCDが3ポンド〜と比較的安い。


●eil.com
http://eil.com/
イギリスにあるレア盤・限定版専門ショップ。価格は若干高めだが、お宝アイテムが満載で、かなりマニアックアイテム(PV、ポスター)なども扱っている。日本では入手できない海外アーティストのPVをここで購入する人も多い。関連アーティスト検索機能も強力で、普通にリンクをたどるだけでもいろいろな商品が見つかるのも面白い。メニューや注文自体は英語だが、日本人向けにローマ字の説明ページがあるし、価格や送料が円で表示される。多少英語力がある人なら問題なく利用できるだろう。


●MusicStack
http://www.musicstack.com/
GEMMと並ぶオンラインCDショップモール。GEMMと比べると品揃えは落ちるが、ウェブサイトのインターフェース自体はGEMMより使いやすい。ブラウザーが検索した履歴を覚えておいてくれるので、数日後訪れたときでも、すぐに同じ条件で検索できる。日本円で価格を表示させることも可能。ただし、GEMMと同じように、一部のショップの対応が非常に悪いという話なので、利用する際は十分な注意が必要だ。


●Netsounds
http://www.netsounds.com/
イギリス最大のオンラインCDショップモール。GEMM、MusicStackなどと同じように、複数のショップの連合通販サイト。CDだけでなく、LPや12インチなどかなりのカタログ数を誇る。検索時の設定で日本円を設定すると、日本円で料金が表示されるのも便利。レア盤、限定盤なども取り扱っている。


●101cd.com
http://www.101cd.com/
イギリスにあるCD、DVD、ゲームを販売する総合サイト。とにかく逆輸入盤に強く、同じアイテムでも日本盤やドイツ盤、オランダ盤、オーストラリア盤など、新品で幅広く取りそろえているのが特徴。「このアルバムの○○盤はレアトラックが入っているんだ」とか「好きなアルバムは全カ国語揃える」といった究極の“CD廃人”は要チェックのサイトだ。価格も全般的に安い。


●Sound World
http://www.soundworld.com.au/
●chaos music
http://www.chaosmusic.com/
●hmv.com.au
http://www.hmv.com.au/
オーストラリアのCD通販サイト。オーストラリアやニュージーランド出身アーティストの限定物や、入手困難なCDもここなら比較的容易に手に入る。ただし、アルバムの価格相場が全体的に高め。


●eBay
http://www.ebay.com/
言わずとしれた世界最大のオークションサイト。日本ではオークションと言えばYahoo!だが、海外ではeBayが主流。オークションなので、欲しいアイテムが必ず買えるわけではないが、入札者が少なければ思いの外安く買えることも。相手が個人の場合、送金に苦労するケースもあるが、Paypalというメール送金システムに登録すれば、比較的簡単に送金できる。慣れてきたら日本でしか売られていないアーティストの限定物を海外在住者向けに出品するという荒技も。海外では日本の洋楽国内盤に付く「帯」の人気が高く、出品時に「W/OBI」という記号を付けておくと、高値で取引される。国内盤で一儲けしたい人はeBayを要チェックだ。

| 輸入権問題 | この記事のURI | Posted at 17時00分 |

2004年12月14日(火)

今日売りのSPA!で音楽評論家の小野島大さんにインタビューしてます

今年を音楽業界の10大ニュースを振り返るというものです。立ち読みでもいいので、読んでもらえるとうれしいです。

インタビュー自体は結構なボリュームあったのですが、字数の関係でかなり削らざるを得なくなってしまいました。内容的にはおもしろいインタビューなので、来週このSPA!が店頭から消えたら小野島さんインタビュー完全版をアップしようと思います。乞うご期待!

| お知らせ | この記事のURI | Posted at 11時21分 |

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