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ナタリーってこうなってたのか 表紙

ナタリーってこうなってたのか

大山卓也 著 / 双葉社

ISBN:978-4575307009 / 版型:18.2×12×1.2cm
ページ数:184ページ / 定価:1080円(税込)

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2007年03月06日(火)

いろいろと告知

いろいろと告知があります。

Creators To Consumers 【c2c:はじめの一歩】

実施日:2007年3月15日(木)

・音楽の絆・ライブ(無料)
時 間:12:30−13:00 Breath by Breath
    17:30−18:30 坂本美雨 STARDUST REVUE
場 所:マルキューブ(丸ビル1Fイベント広場)
         
・シンポジューム(無料)
時 間:18:40−20:00(開場18:00)
場 所:丸ビルホール(丸ビル7F)
テーマ:私的録音補償金制度について考える

 出 演:(敬称略)
・モデレーター 中村伊知哉(慶応大学教授)
・藤原 浩(日本芸能実演家団体協議会・顧問弁護士)
・向谷 実(音楽家)
・椎名和夫(CPRA運営委員/音楽家)
・津田大介(IT・音楽ジャーナリスト)

入場無料
受付にて先着順に座席券をお渡しします。但し、定員に達し次第締め切らせて頂きますので、お早めにお越し下さい。

実演家の著作権団体CPRAが行うシンポジウムにパネリストとして出演します。CPRAはいろいろリスナーに対してこのイベントで呼びかけることがある感じで、パネルディスカッションもなかなかおもしろい感じになると思いますよ。

| お知らせ | この記事のURI | Posted at 20時35分 |

「Rimo」への違和感について考えてみた

はてな、人気の動画を抽出・再生するサービス「Rimo」公開--Wiiにも対応(CNET Japan)
はてな、シンプルな操作でYouTubeの人気動画を自動再生できる「Rimo」(INTERNET Watch)

関係各所で話題を集めているはてなの新サービス「Rimo」。最初見たときはとにかくシンプルでわかりやすいし、はてなブックマークに動画そのものをEmbedする対応をした流れなどを見ていたので、「なるほどはてなっぽいサービス」とは思った。リモコンでわかりやすく何も考えずに人気の動画だけを見られるところや、常時接続で利用するといろいろ便利なサービスが受けられるWiiにいちはやく対応したところも含めて、よく考えられているサービスだとも思った。

でもなー。なんか最初からこのサービスに対して違和感というか気持ち悪さがあったのだ。それを言語化するのは難しいなーと思ったのだけれど、いろいろ考えていたら何となくその「気持ち悪さ」の正体がつかめてきたので、恐らく完全にはまとまらない個人的な感情ベースの文章になるのだけれど、エントリとして記しておこうと思う。

さて、Rimoだが、俺が気持ち悪く思ってしまうのはこのサービスが「コンテンツ」の方を向いておらず、ひたすらユーザーの方しか向いていない、というところなのだと思う。それはどういうことか? まず、(誰もがわかっているだろうが)一応無粋なツッコミを入れておくと、Rimoで流れている「コンテンツ」は、現状すべてYouTubeに上げられているもので、それに対してはてな側で独自のフィルター処理を行い、表示させているに過ぎない。当然のことながらはてなはコストをかけて流れる「番組」を作っているわけではないし、それをストリーミングするための莫大なサーバー代を負担しているわけでもない。

YouTubeは少なくとも自分のところで莫大なストリーミングコストと、訴訟リスクを抱えつつも、動画というコンテンツを使った新しいメディアの形を提示した。また、数は圧倒的に少ないながらも、著作権的に問題のない「自作」動画もアップされているし、市井のクリエイターがYouTubeに上げた動画をきっかけにして、プロのクリエイターになる、というサクセス(何をサクセスと取るかは人それぞれだろうが、プロを目指す人にとっては1つの成功とはいえる)ストーリーも描けるし、そもそもはそういうことを意図したサービスだ。コンテンツが流れることによる単なるプロモーション効果だけでなく、新しいコンテンツが創出される「回路」を内蔵しているということは俺は重要だと思う。

ニコニコ動画もYouTubeへのただ乗りサービスではあったが、動画に字幕をリアルタイムで入れることによって、そこにクリエイティビティが内包され、本来の動画とは異なる新たなコンテンツが生まれた。著作権法的には同一性保持権の問題はあるにせよ、ニコニコ動画からまったく新しい類のコンテンツ(この場合、合法/違法であることは問わない)が生まれる「可能性」があった。

myspaceにしても、サービス開始当初は音楽著作権侵害の温床ではありつつも、アーティストとリスナーをダイレクトにSNSという形で結びつけることにより、新たなメディアの形を提示したことは事実だ。そして、彼らはコンテンツにただ乗りすることはせず、無料ライブの開催をはじめ、非常に多額の「アーティスト支援」を行っている。音楽(コンテンツ)がキーになるとを十分理解したうえで、それに対する「貢献」をすることの重要性を理解していると俺は思う。

で、Rimoだ。

ざっくりと言ってしまえば、Rimoにはそういうコンテンツへの理解と「コンテンツが生まれる環境をサポートする」という気概が感じられないのだ。「なんかおもしろそうだからやっちゃいましたー」的な無邪気さで押し切っていて、しかもリスクやコストもほとんど引き受けてないという「姿勢」に俺は強烈な違和感を感じている、ということなのだと思う。

要するに「Rimoのサービスをきっかけにして新しいコンテンツが生まれる」「コンテンツを作るクリエイターたちにとって明確に利益になる」要素が限りなく感じられないことに対してなんかイヤだなと思っているわけである。俺は。たぶん。

英語がよくわからない上に適当なことをいうけど、Rimoは「おもしろい」サービスではあるけど、「funny」ではあるけど「interesting」ではない、みたいな感じ?

まぁ規模からみたらそもそもはてなという会社はそんなに大きい会社じゃないし、過剰な期待をしてもしょうがないのかもしれないけど、デジタルな価値観を持つギークがアナログなコンテンツクリエイターの気持ちとか感情とかわからずリリースしたらこうなった、という構図がそこに見て取れる。ただ、俺は松本零士先生のように「クリエイターの気持ちを考えろ」とか、「ただ乗りはよくないよね」とかそういうことを言いたい訳じゃない。何が言いたいのかというと、ネットサービスを作る側が「コンテンツ」をキーにしてサービスを展開するのなら、何らかのコンテンツへの「貢献」意識なり、新しいコンテンツを生み出すような「仕組み」を入れなきゃダメなんじゃないかということ。「一緒にこれ使っておもしろいことやろうぜ!」というところでサービス提供側とコンテンツ提供側が組めなきゃおもしろいことはできない、というシンプルな話だと思うのですよ。別の言葉で言い換えればはてなはコンテンツに関する「当事者意識」がなさ過ぎるんじゃないの? という話かな。別に100%の当事者意識を持つ必要はないけど、リスクもコストも引き受けるつもりがないお坊ちゃん企業に付き合ってあげるほど、コンテンツ創造側の人たちは甘くないというか、余裕もないだろうという。だから俺がRimoをやる立場だったとしたら、「デジタル音楽の行方」に書いてあった「ある仕組み」を強制的に内包させた上で、対等な立場でできる交渉をコンテンツ側としただろうなー、とは思う。俺は単にコンテンツがたくさん流れるようになりゃいいという話でもないと思ってるしね。だからどっちつかずの中途半端な立ち位置でもがいてる。

はてなという企業にはとても期待してるし、好きか嫌いかでいえば間違いなく好きな企業なんだけど(はてな村の人たちはおしなべてアレだと思うけどね! まぁあれだ。「アーティスト本人や曲は好きだけど、ファンが嫌い」みたいな心理に近いかも)、Rimoに関してはIT系特有の「アナログの人たちへの配慮が足りない感じ」が悪い方向に出ちゃってるのではないかと思うねぇ。余計なお世話ですかそうですか。とまぁそんな感じで、このエントリ自体公開するかどうか迷ったんだけど、公開することにします。

もちろん、Rimoが新しいコンテンツや才能が出てくるおもしろい場所になれば無問題(ただ、そういう機構を内包してからリリースすべきだったとは思うけどね)。期待してますよ!

| 著作権 | この記事のURI | Posted at 20時00分 |

2007年02月09日(金)

オリコン訴訟問題で烏賀陽氏が株式会社オリコンに対して反訴を行う

オリコン、雑誌記事めぐりフリーライターを提訴(asahi.com)
オリコンを反訴 雑誌にコメントした烏賀陽氏(OhmyNews)
烏賀陽弘道氏がオリコンを反訴(メガ放談)

反訴状はこちら

記者会見には僕も行ってきました。それにしても記者クラブって初めて行きましたが凄いところですね。なんか。

7日には、この反訴の記者会見に先立って外国人記者クラブでも記者会見が行われました。

20行のコメントに“5000万の損害賠償”の理由(JANJAN)

こっちはJANJANで記事になってますね。ただこの記事は記者会見そのものよりジャニーズがらみのメディア規制をクローズアップし過ぎてて、ちょっと陰謀論的な論点ずれた話になってるのでちょっとなぁ……という感じ。

この問題はOhmyNewsが継続的に追いかけていて、下の3つの記事も参考になる。

オリコンvsコメンテーター、どちらの声がより響くのか(OhmyNews)
オリコン対うがや訴訟で、被告経験者がアドバイス (OhmyNews)
表現者抑え込む大企業の“新戦略”(OhmyNews)

この件に関してメディアの反応が鈍いということに対しては、ジャニーズがらみが云々というよりも、本質的にはメディア側が「そこまで騒ぐほどの事件か」と思っていることがあるんだと俺は思っている。

この問題を語るときに難しいのは、この訴訟の本質が何なのかということが人によって受け取り方が違うということだ。もうちょっと具体的にいうと、この訴訟が行われたこと自体を「言論の自由への挑戦」と捉えるかどうか。これが立場や考え方によって本当にバラバラなのだ。この問題が表面化してからある種外野と内野の間ぐらいでネットの反応や、音楽業界人の反応をウォッチ・取材してきた感覚で素朴にそう感じる。

俺個人の考えはもう十分にこのブログで書いたつもりなので、これ以上の言及をするつもりは(新しい展開がない限り)ない。俺は心からオリコンが提訴を取り下げることを願っていたし、それが短期的にも長期的にもオリコンの企業イメージのためには良いと思っていたが、烏賀陽さんが反訴したことで泥沼化は避けられない格好になった。あとはもう司法の判断を待つしかない。

最後まできちんと見届けたいと思っている。

| 音楽業界全般 | この記事のURI | Posted at 03時57分 |

2007年02月01日(木)

オンデマンドで好きなアーティストの情報だけ入手できる音楽情報配信サービス「ナタリー」はじめました

とりあえずここ1カ月くらいこのサイト上でつけていた日記ですが、会う人会う人に「あれやめた方がいいんじゃ……」「なんで今更日記?」と不評しか聞こえてこないのでとりあえずやめることにします。まぁそれはいいとして告知です。

ここ1年くらい僕が企画開発として参加していたオンデマンド音楽情報配信サービス「ナタリー」が本日正式オープンしました。

ナタリー(ナタリー - あなた好みの音楽ポータルサイト)

いくつかのメディアにも記事が掲載されています。

音楽関連ニュースに特化したポータルサイト「ナタリー」(BroadBand Watch)

ナターシャ、カスタマイズ可能な音楽コミュニティサイト「ナタリー」公開(CNET Japan)

ナターシャ、カスタマイズ可能な音楽コミュニティサイト「ナタリー」公開(YOMIURI ONLINE)

音楽ニュース&SNS「ナタリー」(ITmedia)

ナターシャ、音楽情報を軸にしたコミュニティポータル「ナタリー」開設(VentureNow)

事の発端は元々2005年夏にミュージックマシーンのタクヤくんと「オンデマンド版のミュージックマシーンみたいなサービスにWeb 2.0っぽい要素を加えて新しいメディア作りたいね」と話をしていて、実際に会社作ろう! と決心した秋にTMQ-WEBのとみぃさん誘って昨年2月に会社を設立し(サヨナナの実験4号さんも誘ったんですが「今の年収の2倍じゃないと……」という理由で断られました。まぁでもそれは多分彼なりの照れ隠しなので、近い将来今の会社を辞めて合流してくれるものと思います)、ナタリーのサービスを作ってきました。

開発はまぁ紆余曲折あったり、開発資金がまったく足りなくて大変な思いをして落ち込んだりもしたけれど、わたしは元気です。それはそうと、ある程度開発が進んだ段階でベンチャーキャピタルにいろいろ構想を話して、足りない開発資金を何とかしようとしたりもしたんですよ。そうするといろいろな話はできるんだけど、大体話の落ち着く場所としては、どこもかしこも要するに「でっちあげでもいいから、わかりやすいビジネスモデル提示しろ。そうしなきゃ金は出せない」という感じになる。日本のベンチャーキャピタルはホントのアーリーステージのネットベンチャーには冷たいんだなーということを身をもって知ることができて、書き手としても非常に勉強になりました。いやぁ当たり前だけどネットサービスの開発ってお金かかるね……。全部自己資金だと辛い辛い。

とりあげていただいたメディアの記事は「音楽情報をキーにしたSNS」みたいな感じで紹介されていることが多いけど、ナタリーは基本的に純粋な意味のSNSではありません。あくまで目指すのは自分たちで独自の視点を持った「音楽情報を発信するメディア」であり、それに今時のウェブサービスの標準的な機能やコミュニケーション要素を組み込んだものになってます。ナタリーでしか配信できないユニークな視点の記事をどんどん作っていこうと思うので、音楽好きな人はぜひ使ってやってみてください。

クリティカルで致命的なバグは大体潰したはずですが、まだまだベータ版としての公開なので一部機能とかがおかしな動作することもあると思いますが、徐々に改善していくつもりですので、そのあたりはお手柔らかにお願いします!!

(追記)
と書いたら書いたで、いきなりサーバが落ちた!! 復旧したりしなかったりちょっと不安定です。ごめんなさい。思った以上にアクセスが来たみたいで(ありがたい話なんですが、大変なことに……)サーバが悲鳴あげてるみたいです。近いうちにサーバ移転なども含めて根本的な対応を考えます。ご迷惑をおかけします……。

| お知らせ | この記事のURI | Posted at 19時57分 |

2007年01月23日(火)

ビートルズ生演奏のバーの経営者に有罪判決

ビートルズ生演奏で著作権軽視、バー経営者に有罪(YOMIURI ONLINE)

まぁ法律を普通に解釈すれば彼のやったことは犯罪だし、JASRACもいきなり刑事告訴という形を取る前に何度も警告なり交渉なりしていただろうから、この判決自体は妥当なんだろう。

でもなぁ。

彼がやったことで一体誰が傷ついたんだろうかね。音楽の裾野を広げるという意味では彼も間違いなく「貢献者」の一人だっただろうし、音楽が好きで広めたことによるポジティブな効果だってきっとあったはずだ。

ポジティブな効果があったかもしれないから犯罪を免責しろって言いたいわけじゃないよ。どうしようもなかったのかもしれないけど、それでもまだ「やり方」があったんじゃないかって俺は思う。刑事事件としてこれをやった以上(いくらそれに妥当性があっても)「見せしめ」と言われても仕方ないんじゃないか。

ルールは重要だし、正当な徴収分配がなければ著作者は食べていけない。でも、今この時代にJASRACの「取りやすいところから取る」(と見られても仕方ない)徴収システムをそのまま残しておけば、こういう「著作権者」と「利用者」の軋轢は増えていく一方だろう。そんな軋轢が増えることが「コンテンツ振興になる」なんて俺はまったく思えない。そしてそんなときいつも「著作者」は蚊帳の外だ。

でもまぁ、なかなかこういうシステムは変わらない。だから、こういう事件に対して怒りを覚える人はJASRACが本気で「焦る」ように、怒りを露わにしていけばいいんじゃないかな。

ただ、怒りを伝えるにしても、やり方は重要だ。伝わらない言葉だけずらずら並べたって伝わらなきゃしょーがない。ネットで「カスラック氏ねよ」とか言ってガス抜きするんじゃなくて、怒った人がもうちょっと言葉を尽くして自分の考えをきちんとエントリにしてみたらどうかな。それだけでちょっとずつではあっても風向きは変わっていくと俺は思う。言葉を尽くしたエントリを書く人は権利者側からも「音楽愛好家で、著作物の利用者」として認識されるわけだからね(これは掛け値なしにそう思うよ、俺は)。まずプレーヤーとして壇上に上がらなければ議論なんかできないわけで。そして、プレーヤーになるための敷居は昔と比べれば圧倒的に低くなっている。

音楽は人に聴かれてはじめていろいろな人に伝わっていくものだ。ジョン・レノンが生きていたら、自分の奥さんを輩出した国の片隅で今もピアノで自分の曲が演奏されていることをどう思っただろうか。そのことを考えるのって決して無意味な仮定ではないと思うんだけどどうかな。

まぁコツコツやるしかないですね。著作権の問題は難しい。

| 著作権 | この記事のURI | Posted at 04時42分 |

2007年01月18日(木)

本日売りの日経産業新聞の「デジタル時評」に

オリコン問題やPSE問題、輸入権など、ネットで起きた動きがリアル社会に影響を及ぼすようなWeb 2.0/CGM現象についてのコラムを書きました。興味ある方はぜひ。

| お知らせ | この記事のURI | Posted at 05時33分 |

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