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  • 音楽配信メモの更新は終了しました(2002.1.11〜2014.8.23)。

ナタリーってこうなってたのか 表紙

ナタリーってこうなってたのか

大山卓也 著 / 双葉社

ISBN:978-4575307009 / 版型:18.2×12×1.2cm
ページ数:184ページ / 定価:1080円(税込)

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2009年08月21日(金)

9月から10月にかけて「自由大学」で牧村憲一さんと「未来型音楽レーベルを立ち上げよう!」という集中講義を行います

3カ月ぶりのご無沙汰です。皆さんいかがお過ごしですか。

久しぶりの更新が告知っていうのもアレなのですが(いつものことです)、前回の話と違って音ハメ直球ネタなので告知します。

ノン・スタンダード・レーベルやトラットリア、フリッパーズギターのプロデュースなどで有名な音楽プロデューサー・牧村憲一さんと一緒に「このネット時代に音楽レーベルを立ち上げるにはどうすればいいか」というテーマで5回の集中授業を行います。

●未来型音楽レーベルを立ち上げよう!
教授:牧村憲一、津田大介
キュレーター:森和夫

[ 日 程 ]
毎週水曜日 19:30〜21:00
9/2, 9/9, 9/16, 9/30, 10/7
※シルバーウィークである9/23は休講いたします。

[ 申込締切日 ]
8/30(日)

[ 受 講 料 ]
28,000円

[ 会場 ]
世田谷ものづくり学校

[ 公式コミュニティ ]
mixi - 自由大学

[ 講義内容 ]
2010年音楽の旅

「インターネットでデビューも楽々!」・・・ところが現実は甘くない。アーティストを抱えてその音楽をどう動かし、認知させていくのか? 今までにない、新しい音楽レーベルの作り方、運営ノウハウをお教えします。契約書の読み解き法、収支見込の立て方など目からウロコのヒジョーに実践的な講義です。

[ 講義計画 ]
第1回 “小さいレコード会社作り”はもうやめよう
メジャーレーベルが軒並み収益で苦戦している中、見よう見まねで小型レコード会社を作っても意味がない。ここでは経営面での収益支出を考えながら「形にとらわれない」レーベル作りを考えて行きます。

第2回 上手なネットとの付き合い方1〜管理
パソコン、インターネットはなにもアーティストや音楽のプロモーションや販売ツールだけではない。事務的な管理、そしてファン管理にもいろいろと役立てることが出来るのだ。ここは日本有数のTwitterの使い手でもあり、「仕事で差がつくすごいグーグル術」の著者でもある津田氏が目からウロコのネット活用術を直伝します。

第3回 権利、契約の落とし穴
肝心な物事を進める時には必ず目の前に表れる権利問題、そして契約書。権利は果たして守り抜くだけでいいのか?契約はすぐに判を押してしまっていいのか? 実際に使われる契約書文例やケースワークを用いながら実践的な対応手段や観点を伝授します。

第4回 上手なネットとの付き合い方2〜プロモーション、販売
音楽配信やSNSでアーティストのプロモーションやセールスもバッチリ!・・・だったら誰も苦労はしない。この時間では普段注目されがちなツールや手段ではなく、その有効的な活用法やリアル展開との共存についてレクチャーします。

第5回 未来型音楽レーベルは荒野をめざす
遂に講座も最終回。4回の講義を受講して学んだノウハウで果たしてこの音楽業界の荒波を渡りきれるのか!? 特別ゲスト(未定。レーベル関係者)を迎えながら実際の運営の問題点やビジョンを講師と共に考えていきます。

[ 申し込み ]
こちらのURLより申し込みが行えます。

今、牧村さんと授業のための準備をいろいろしています。実践的だけど、トークイベント、音楽産業をカルチャー的視点から考えるみたいなスタンスでも楽しめる授業にしようと思ってますので、興味ある方はぜひ受講していただければ。

| お知らせ | この記事のURI | Posted at 17時17分 |

2009年05月12日(火)

「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」を傍聴してきました

ということで行ってきました、伏魔殿こと厚労省の医薬品ネット販売検討会。いやーひどかった。本当はtwitterで中継しようかと思ったけど、そんな雰囲気じゃなかったのと、Windows7のRC版を入れたら通信カードが動かなくなって中継できませんでした。はっはっは。

もういろいろなところで記事も上がっているので、不完全版の議事録っぽいものを上げておきます。

(事務局から、離島の人とそれまでネットで継続的に薬を買っていた人に限って2年間経過措置として買えるようにするという省令を6/1から施行させるという説明のあと自由討議)

阿南久(全国消費者団体連絡会事務局長)「経過措置そのものを設けること自体に反対。筋が通らない。事業者に伺いたいのは何ヶ月か前にこういうことがわかっていたのに、あなたがたは一体どういう努力をしたのか。今更難癖つけても遅い」

児玉孝(社団法人日本薬剤師会会長)「消費者にとってこの改正は大きな意味がある。そこの周知をする時間が短くなってしまったのは大変残念」

足高喜宣(日本置き薬協会常任理事長)「この経過措置だが、対面販売という原則を考えたときにまだ疑問が残る。離島が不便だといったら、山の中にいる人だって不便だ。拡大解釈できる余地がたくさんあるだろう」

三木谷浩史(楽天株式会社代表取締役会長兼社長)「今回の議論を通じてネット販売を慎重に進めなきゃいけないという思いを新たにした。阿南さんからの話でいえば、何で意見を言わなかったのかという話は、そもそも我々にヒアリングの機会を与えられなかったからだ。消費者マーケットは刻々と変化し、2年前とはまったく違う状況になっている。現状をある程度鑑みる必要があるだろう。影響範囲の測定というのは、厚労省のやっていることは不十分ではないかと思っている。アベイラビリティーの議論でいえば、消費者が自分にあった薬を選んでいく必要がある。医薬品が販売停止になってブランド名が変わったりすることもあり、継続購入できなくなる懸念もある。同一の医薬品しか変えないというのは厳しいんじゃないか。今回の経過措置で障害者の人々が買えないというのも問題。自分の提出した資料にも切実な意見が出てきている。妊娠検査薬もネットで気軽に買えなくなってしまう。一生懸命働いている共働きの家庭が被害を受ける」

足高「バファリンを継続販売していたら、ケンコーコムも継続販売できるのか。今バファリンネットで買ってる人はそのまま買えるってことか」

事務局「第二類医薬品であれば含まれる」

足高「二類の医薬品を使っていた客であれば閉ざされないということか。それはいかがなものか」

松本恒雄(一橋大学大学院法学研究科教授)「2年に限定してるが、2年たったら買えなくなる。そうなったら2年以内に離島の対面販売原則をなくすつもりなのか。そうでなく薬局薬店に離島に展開させるよう指導させるのか。それとも通信販売の環境を変えてちゃんとするのか。2年やってあとは、はいそれまでよ、じゃ無責任じゃないか。2年間の意図するところを教えてもらいたい」

事務局「なんで2年か。改正薬事法の経過措置は大体2年。その後は原則に基づくということ。通信販売以外の医薬品については2年といわず体制を整備したい。関係業界の強力もいただきたい。もっと早く整備するが、経過措置は前例としてそうなった」

三木谷「薬局も厳しい状況に入っており潰れるところも出ている。消費者視線というところで考えたら同一の店舗でしか買えないのはおかしい。合併した場合はどうなるのか。この2年間で合従連衡が進む。同一店舗という規制はおかしい」

増山ゆかり(全国薬害被害者団体連絡協議会)「具体的な話が煮詰まらなかったのは残念。業者には専門家としてこういう風に対応しているといった話が聞きたい」

足高「大臣は薬が届かないところがあったら良くない。不便があったらよくないと言った。日本で現在流通している4000アイテムの医薬品すべてが離島であろうが僻地・山間であろうが届かなきゃいけないのか、それとも多少アイテム数が少なかったり、多少不便はあっても、北海道の山の中であろうが東京の離島でも対面で届かけることができるのか。我々は『全部に届けることができる』と言ってきた」

三木谷「わたしはeコマースが専門。医薬品の流通コストは非常に高い。現代はネット販売をうまく活用しながら安全性を確保しながらやるのが世界的に見ても世の中の趨勢になっている。都会はすべての医薬品が買えるのに、田舎だけが50、100種類だけでいいのか。足高先生が全国に届けられると言ったが、困ってる人からすれば、今すぐに欲しい薬が3ヶ月後に届いたところで机上の空論でしかないでしょ。あと事務局に聞きたいのはなぜ離島に限ったのか。過疎地と離島は何が違うのか」

事務局「地勢的にみて、はっきりしているからだ。地続きなところは直接お店に行ってもらえればいいということ。地続きのところの規制をどうするかは医療行政の問題。離島のように店舗が物理的に存在してないところと、地続きで離れているところでは条件が違うだろう」

三木谷「北海道のどまんなかとかは100km先にいかないと薬局がない。それと離島はどう違うの? あとは障害者の対応はどうするつもり?」

事務局「今回の経過措置は利便性と安全性を十分に考えて作ったもの。障害を持っている人に対して利便性を考えなきゃいけない、ということと安全性を考えることは別で、そのバランスを考慮することが重要。最終的に障害者の人が選択購入するときはリアル店舗に来てもらって障害の状態に応じて買って頂きたいという思いがあったので経過措置には入れなかった」

三木谷「障害者にとってはネット通販がライフライン。利便性だけの話ではない。特に視覚障害者の人はネット販売でしか買えないと言ってる。要するに障害者は切り捨てようという話ですね」

児玉「その話は今まで散々この委員会で議論して、現行のシステムの中でがんばっていきましょうという結論になったでしょうが。今更何を言ってるの?」

阿南「私は周知不十分だから2年間の経過措置を設けたという認識。事務局はパブコメにかけるというが、それは利害関係者であるあくまで離島や継続使用者向けのものですよね? そこは確認しておきたい。あと、継続使用の販売記録については楽天が持つんですか。それとも各店舗が持つんですか」

楽天「技術的には店舗でも楽天でも持っている。どっちでもできる」

高柳昌幸(全国配置過程薬協会副会長)「継続使用を確認する義務は販売側にある。本人が販売記録がないのに買いたいと言ってきたらどうする」

事務局「電話でかつて買ったというだけで提供できるかどうかは微妙な話。5月末までに何らかの購入情報があるかということが基準になると思うが、それは最終的には売る立場であるお店が判断する話」

三木谷「前回のパブコメで97%が今回の規制に反対だった。次回パブコメ集めたら公開してくれ。それによって変わるんですか。変えるつもりがないならそもそもパブコメなんてやめちまえ。エンドユーザーの意見、一般の方がどう思うかということが重要だ」

事務局「5月中に省令改正しないと間に合わない」

後藤玄利(日本オンラインドラッグ協会理事長)「2年の暫定措置で6月1日に購入できなくなるという事態は避けられるかもしれないが2年たったら買えなくなってしまう。どのようにすれば通販で安全に購入できるか話し合う場が必要だ。そういう声がいろいろな委員から出ている。そういう場を別途開いてくれ。そうしないと事業者も安心して事業を継続できない」

児玉「そもそも今回の経過措置、離島は入れる必要ないだろう。離島の救済は継続使用する人の中に含めて救済すればいいんじゃないか」

事務局「6月1日以降も新しい薬を買う人も提供するので完全にかさなっているわけじゃない」

児玉「離島であろうが僻地であろうが、我々はちゃんと販売します。離島だけを特別視してやる意味がわからない」

事務局「薬局店舗がないところに関してはこういう経過措置を設けてはどうかという話」

足高「離島の定義がわからない。どんどん離島というところが拡大解釈して広がっていくんじゃないかという懸念がある。淡路島も佐渡島も離島になってネット業者に自由に売られたら困る。言葉の定義をしっかりしてもらいたい。我々は対面販売の原則があるから顔色が悪い人に「病院行った方がいいですよ」とか、薬悪用しようとしている人へ売らないということができて、それが安全弁になっている。そういうものはインターネットがどれだけ進んでも無理。だからこそ離島の定義をきちんとしてくれ」

事務局「法律上決められている。人が住んでいる島。薬局店舗がない。大きな離島は外れる」

足高「僻地への拡大解釈はない? どんどん田舎は薬局がどんどん減っていってる状況で、拡大解釈される恐れがある」

増山「継続使用の定義があいまい。希望すればできるという制度になりかねないんじゃないかと思った。そういう経過措置なら反対だ」

三木谷「正直言って議論がかみ合ってない。かみ合わない根源的な問題はここに出席してる委員がネットユーザーかそうじゃないかだと思う。僕はメールで話した方が本音で話ができるし、若い人はメールの方が本音で話をできる。ここにいる人はネットとか使わない人ばっかりだろう。そもそもこの検討会のメンバーにしても偏ってる。もっとエンドユーザーの意見を大事にしてもらいたい。対面の方が得意な人もいれば、メールの方が楽だという人もたくさんいる。そういう意見をきかないと、今回みたいな取り繕った改正で終わってしまう。根源的なネットのコミュニケーションを正確に捉えてもらいたい。過疎地を救うには本質的にはインターネットを使うしかない。そのあたりを勘案したうえで将来に向けた議論をしてもらいたい」

児玉「今の発言は問題だ。ほかの委員に対して大変失礼だ。足高さん増山さん阿南さんの意見をちゃんと聞け」

三木谷「こんな結論ありきの委員会開いておいてなんだ。そもそも呼ばれてる委員の世代をみてもおかしいだろうが。若いやつが誰一人としていないんだから」

井村座長「世代の話じゃないでしょ」

三木谷「いや世代の話だよ」

増山「今までのネット販売は全然安全性を確保できてなかった。それが反省点としてあるんじゃないのか。本人の情報確認とかネット業者はゆるゆる。ネットで一類の商品買えるようにするとかありえない」

三木谷「一類はそもそも販売しなくてもいいって言ってるんだよ。今まで何聞いてたんだ。ずさんな商品管理の問題はリアル店舗だって起きてる。そもそもそのあたりの制度設計をするときになんでネットユーザーのことを考えなかったのか」

増山「一般商品と同じ感覚で消費者が買っているのが問題。もっと健康に気をつけて買わなきゃいけない。医薬品が持っているリスクをマネージメントできるのかという観点で話し合いが必要。今困ってる人、具体的には離島や高齢者、障害者が困っているからといって、安全性が多少下がってもいいのかという話にはならない」

阿南「私は生活食料品などは全部ネットで購入している。だが、薬についてはやはりやるべきではないと思ってる。三木谷さんはサンデーモーニングで『ネット使えない人が集まって結論ありきで決めた』と発言していたが大変失礼な話だ」

後藤「安全性か利便性か。この議論の一番最初で安全性が重要だということは我々も重視している。そのときに安全性を担保するときに対面販売が絶対的な要素なのかどうなのかというところで食い違いがあるように思っている。その通信販売の安全策を話したかったが時間がないということできなかった。今後2年間でつめてもらいたい」

倉田雅子(納得して医療を選ぶ会)「後藤さんがネット販売で薬害は起きてないといったが、ネット販売で薬害をうけたとしても、消費者はネット業者じゃなくて病院や薬メーカーに文句をいうわけで、ネット業者にはいかない。だからそれはおかしいんじゃないか」

事務局「この先いろいろなことを想定して、制度についてどう対処していくか考える、そのための2年間だと思ってます」

増山「困ってしまう人の対策をどうするか、から始まっているが、誰がどのくらいどういう人が亡くなっているのか、個別にはわかるが全体像が見えにくい。ネットでは反対署名も募集していたが、署名の取り方がそもそも恣意的だった。あれが全員困っている人ではない。議論するときにどういう人がどういう風に困っているのか、それを特定できなければ適正な対処はできないのではないか」

後藤「通販業者としてそれを考えなきゃいけない。この省令案が通っても通販の安全性を高めることは継続的に高めていくことをやっていくし、それが試される2年間だと認識している。その先に業としての医薬品の通信販売ができるようになるか。安全策の周知徹底もやっていくのでよろしくお願いします」

足高「今の後藤さんの話きいても、インターネット通販は今後2年間は継続できるってことだよね。原則はダメなはずなのに、現実はできてしまう。そんなあいまいで不幸な状態続けるのはお互いにとって良くないでしょ。対面販売を崩すなら崩す、崩さないのなら崩さないで厚労省がはっきりと方針を示さなきゃいけない。ネット通販業者を日陰者みたいな扱いにしておくのは良くない」

細部ははしょってるけど、議論的にはこんな感じ。最後に事務局と井村座長がパブコメ受けてもう1回だけ委員会ありますと言ったら三木谷さんが「そんなもんやったって意味ないよ。時間の無駄だ」と吐き捨てるように言ってました。

対立構図としてはネット業者に自らの権益を侵されたくない置き薬協会(足高)、薬剤師会(児玉)が、対面販売じゃなくて売るのは安全性がやばいだろと主張し、それをロジックよりも感情的なレイヤーでネットに対して反発する消費者団体(阿南)と薬害被害者団体(増山)が後押しし、ミキティが半分諦めて苦笑しながら反発するという感じ。

ミキティが主張する、離島や僻地、それと視覚障害や車いすなどでリアル店舗に行きづらい障害者の救済はどうするんだというもっとも重要な論点に対しては、置き薬協会は「我々置き薬は対面販売してるから最強。我々が全国津々浦々回れば済む話。でもお金はないから、医療政策として政府が補助金出して支援してね。ネット? あんな血の通ってない危ない販売方式じゃ問題多すぎる」という主張で、薬剤師会はどっちかというと現状のネット医薬品通販を否定しつつ、自分たちが特別な立場でネット通販的な業務に進出できればいいという思惑がある感じ。消費者団体の人と薬害被害者団体の人は「離島や僻地や障害者の人の救済とか利便性よりも、安全性を確保することの方が重要」というところで思考停止してる(わざとかもね)感じだった。ミキティが第2類(普通の風邪薬とか)だからいいじゃんという論点を出しても、「ネット通販だと一人で100個注文することができるから危険」って、それって別にリアル店舗でも100店回ればできるっつーの。それとも対面販売なら100件回ってるような怪しい客は気づけるって話なのか。風邪薬やらバファリンやらを大量に購入服用して死ぬようなことが本当に「薬害」なのかね、っていう。誰も「安全性ゆるめて医薬品じゃんじゃん消費者にばらまきましょう」なんて話はしてないのにね。

6月以降の2年の経過措置中にネットの医薬品通販の基本的制度設計を整えるって話をしてたけど、このメンツで議論してもぜっっっっっっっっっっっっっっっったいにまとまらないね。ミキティも言ってたように僻地の人とか、エンドユーザーとか、実際にネット通販がないと困る人の意見をすくい上げて社会的にそれがどれほど必要とされているのかを効果測定してやんなきゃだめだろうね。

ミキティが「現代はネット販売をうまく活用しながら安全性を確保しながらやるのが世界的に見ても世の中の趨勢になっている」という趣旨の発言をしたが、米国では処方箋のメールオーダーなんかもある。一気にそこまでいくかどうかはともかくとして、バファリンやら市販風邪薬の通販なんて、そこからしたら大した問題ではないようにも思えるよね(もちろん、医療制度は国によって違いが大きすぎるので単純比較は難しいのだけれど)。

俺が腹が立ったのは足高さんの「僻地への拡大解釈はない? どんどん田舎は薬局がどんどん減っていってる状況で、拡大解釈される恐れがある」ってところ。過疎化が進む田舎で薬局が減るってことは、ただでさえ医療状況が悪くなってるのに、減っているからってそれを理由に拡大解釈してネットで売らせるなよって、俺にはそれは「田舎の人間は死ね」ぐらいの発言に聞こえたよ。

俺が参加してた文化審議会でもそうだったけど、ああいう審議会に昔ながらの「消費者団体」のおばさんが出て、現実のエンドユーザー(もしくは、これからの社会を担う若者と言い換えてもいい)と乖離しまくった意見を言ってそれが「消費者の総意」と役所に判断される現状は何とかならんものかね。別に俺とかMIAUが消費者の総意を代表できるとはまったく思ってないけど、少なくともいろいろな問題に対して消費者の中でも3極くらいの意見があるわけで、そういうものをそれぞれ審議会に出して行かなきゃバランスの取れた落としどころは探れないだろうに。

なんつーか大げさな話をすると、これもある種の日本社会の縮図だよなあと思いましたよ。で、肝心の立法(国会議員)が、こういうエンドユーザーが直接関連する問題の当事者性を持たずに行政に任せっぱなしにしちゃうからなあ。

ま、こういうやり取りがネットに上がって、それなりに多くの人が注目するようになったってことは一歩前進ではある。社会が変わるには、どんどんこういう政策決定プロセスがネットに公開されるようになって、それが実際の票を動かすようになる、そのための環境を地道に整えていくことを諦めないってことしかないんだろうね。

| この記事のURI | Posted at 01時52分 |

2009年04月07日(火)

夜のプロトコル第2回「何が彼女をそうさせたか 〜明治大正昭和 不良少女と少女ギャング団の時代〜」を開催します

NO_02「何が彼女をそうさせたか 〜明治大正昭和 不良少女と少女ギャング団の時代〜」 平山亜佐子(夜のプロトコルBLOG)

僕が参加している「夜のプロトコル」の第2回の講座が開催されます。

■夜のプロトコル・アカデミー:講座02回
「何が彼女をそうさせたか 〜明治大正昭和 不良少女と少女ギャング団の時代〜」平山亜佐子

《概略》
およそ100年前の明治の時代から、堕落書生を成敗したり、男装して女友達と貸座敷にしけこんだりする過激な少女たちがいたことは、意外に知られていません。そうした少女たちやその集団は、明治時代には「莫連女(ばくれんおんな)」や「悪少女団」と呼ばれ、大正時代には「不良少女」「不良少女団」、昭和初期には「モガ」「少女ギャング団」と呼称が変遷し、時代とともにその中身も変わってきました。今回は新聞記事を参照する第一部と、当時の音源を聞きながら解説する第二部の二部構成に仕立て、立体的に展開します。

《第一部》 新聞を騒がす不良少女たち 聞き手:神田ぱん氏

藤原書店主催の河上肇賞奨励賞をいただいた未発表原稿「明治大正昭和 莫連女と少女ギャング団」をもとに、 明治、大正、昭和初期、それぞれの時代を象徴するような事件をとりあげ、当人画像を含む新聞記事を参照し、ときにツッコミ、ときに笑いながら、世相や風俗を解説していきます。未発表原稿なので本にならない場合はここでしか聞けません、ぜひ!

《第二部》 何が彼女をそうさせたか ゲスト:毛利眞人氏

音楽史家でSPレコードコレクターでもある大阪在住の毛利眞人氏所蔵のSPレコード音源を流しながら、大正から昭和初期にかけて花開いたカフェーやジャズ、レヴューなど当時の文化を中心に、社会的・歴史的背景について語り合います。

【日時】4月17日(金) open 18:30 start 19:00
【会場】千駄ケ谷「Loop-Line」
渋谷区千駄ヶ谷1-21-6 第3越智会計ビル B1
http://www.loop-line.jp/access.html
JR 千駄ケ谷駅より徒歩6分
【料金】2000円(1drink付)
・イベント後のパーティを予定しています(会費別途)
・定員は約50名を越えた場合、立見になる場合もあります。ご了承ください。
【予約】この下の予約フォームにて。質問は事務局宛にメールをください。
事務局アドレス=yorutoko@gmail.com

●平山亜佐子
1970年生まれ、東京在住。エディトリアル・デザインのかたわら、文筆活動や音楽活動などを行なう。雑誌「ユリイカ」(青土社)の「文化系女子カタログ」特集号や「戦後日本のジャズ文化」特集号に寄稿。共著に『SNSの研究』(翔泳社、2007)、単著に『20世紀 破天荒セレブ ありえないほど楽しい女の人生カタログ』(国書刊
行会、2008)がある。「明治大正昭和 莫連女と少女ギャング団」で藤原書店主催の河上肇賞奨励賞を受賞。歌のユニット2525(にっこにこ)稼業所属。
http://d.hatena.ne.jp/achaco/

●神田ぱん
1963年生まれ、東京在住。町歩き系フリーライター。三児の母。雑誌「散歩の達人」「コンパス時刻表」(交通新聞社)などで活躍。ミニコミ「車掌」(内容は非鉄)の営業部員という顔も持つ。共著書に「鉄子の部屋」(交通新聞社刊、2007)。
http://www.sepia.dti.ne.jp/syashou/anpan/

●毛利眞人
1972年生まれ、大阪市在住。音楽ライター、日本近代音楽史家、SPレコード蒐集家。執筆、ラジオ原稿、CD復刻、レコードコンサート、音楽に関わるイヴェントのデータ監修など活動は多岐にわたり、カルチャーサロンの講師もしている。2001年より関西発NHKラジオ深夜便「懐かしのSP盤コーナー」(a.m.2:05〜)に音源・解説を提供。単著は「貴志康一 永遠の青年音楽家」(国書刊行会、2006)。09年秋に講談社より2冊目の単著「ニッポン・スウィングタイム(仮)」を刊行予定。
http://www.h4.dion.ne.jp/~kishi_k/

| お知らせ | この記事のURI | Posted at 16時37分 |

2009年03月12日(木)

デジタル・コンテンツ利用促進協議会シンポジウムパネルディスカッション詳細

本日開催されたデジタル・コンテンツ利用促進協議会のシンポジウムに参加してきました。

パネルディスカッションの参加者は中山信弘氏(東京大学名誉教授・弁護士)、菅原瑞夫氏(日本音楽著作権協会常務理事)、和田洋一氏(株式会社スクウェア・エニックス代表取締役会長)、金正勲氏(慶應義塾大学デジタルメディアコンテンツ統合研究機構准教授)。モデレーターは岩倉正和氏(弁護士)。

以下はパネルディスカッションにおける各パネリストの発言要旨。発言内容をリアルタイムに要旨をつかみつつタイプしていったので、ところどころ抜けがあります。内容の正確性についてもニュアンスを伝えきれない部分もあると思います。メモ書きなので、ところどころ日本語怪しい部分もありますがそこはご容赦いただければ。あくまでシンポで話された内容を大まかに理解するための参考資料として読んでください。

岩倉「まず最初の論点。デジタル・コンテンツの利用流通に関する現状とその改善の必要性、一定のコンテンツについて、インターネット上における利用に関する権利を一定のものに集約する法制度や、契約による処理を促進する法制度の導入についておうかがいしたい」

中山「著作権法にどっぷり使ってる人間は、著作権法の枠組みから出られない。現行著作権法からしか考えられない。しかし、大きい目で権利というものはいかなるものなのか、ということを考える必要がある。権利が重畳的に存在している。輻輳した関係を清算したのが近代社会。著作権はどうか。中世の土地的な雰囲気がある。一人の権利の上に大勢の人の権利が重畳的に付着している。重畳的に存在している権利は離脱できない。それが流通にとって阻害要因になっている。現在の著作権法ができた時代はデジタルがなかった。デジタルの発展によって、1つのものの上に多くの権利者が乗っかってくる。大勢の人が利用し、利用したものに基づいて新たな創作が行われる。これを解消する必要性はみんな感じている。問題はどう解決すればいいのか、という方法論だけの話。契約でうまくいけば誰も文句はいわない。じゃあうまくいってるのか。いってない。日本は世界と比べてコンテンツビジネスの存在感は低い。流通しなければ利益も上がってこない。そうしたら権利者に還元する利益もなくなる」

和田「私はコンテンツを創作し、供給する、それをビジネスとしてやっている者として今日はディスカッションに参加する。著作権は出てきた当時想定してないことが起きている。産業的に作る著作物を想定していない。産業ができたから、法律をその都度あわせてきた。コンテンツ産業は、業界ごとにルールが違う。それにパッチを当てる形で著作権法も変わった。ネットワークやデジタルで、そうした前提もドラスティックに変わった。例えばネットがあるが、デジタルでネットで流通するというのは単にディストリビュートチャンネルが1つ増えたということではない。流通の仕組み自体、何を売ってビジネスにするのかという前提が変わってくる。業界の慣習の中でうまくいっていたものが変わってしまうというと、誰と誰が会話すればいいか、ということが非常に難しい。新しいビジネスを始めるときは、まずはその会話の場を設定する必要がある。場が長い間の歴史をへて着地するのは、時間がかかりすぎる。であれば、制度から変えなければならない。デジタルのフォーマットは、コンテンツの中身を分解して、それを新たな創作を生み出す種にできる。慎重な議論は必要だが、今までの著作権のありかた、それを根底から揺るがすデジタルを真正面から向き合うべき。ゲームは特殊。歴史が若いので会社ですべての権利を持っている。ゲームの要素を取り出してほかの二時創作をするというのは、上の判断で簡単にできる。ほかのコンテンツ業界は確かに難しいところはあるかもしれない」

金「今回は本音ベースで話します。まずは政策決定プロセスの問題。従来の利害を大事にするやり方。今回は明確な政策目的をもって、具体案を出したという動きが出たというのは内容はともかく、いいこと。ただ、具体的な方法論は違うんじゃないかと思うところもある。まず、権利を集約する必要があるか。集約する必要はあると思うが、集約する先と、集約するやり方に疑問がある。コンテンツは放送にしても音楽にしても複数の権利者が存在している。それぞれの権利者が拒否権もってるので、アンチコモンズの悲劇がおきる。権利処理に関する取引費用が非常に大きい。一部拒否するとホールドアップ問題が起きる。著作権者不明の場合に処理できず、流通できないということがある。解決策は、3つある。強制許諾的な政府が関与するやりかた。2つは市場に任せて契約ベースにする。3つはjasracのように集合的なアクションを起こす。強制許諾よりも、集合的なアクションが効率的。映像コンテンツ分野においてJASRACのようなものを作り出して、それによって全体の取引費用を削減できるか、ということが重要になってくる」

菅原「現状という話でいえば、権利者コンテンツホルダーそれぞれ努力してる。NHKオンデマンドどれくらい加入してる?(2名)。これが今の現実。今回の案は強制している印象を否めない。そこまでの必要性合理性緊急性があるのか、ということは議論したい。モアベターというところで、コンテンツ流通が活発化することに対しては否定する人はいないだろう。和田さんの新しいものの場の設定というところは同意する。だが、なぜ強制するのかというところが疑問。新しいネットやデジタルのビジネスを考えたときに何がまず必要な要素なのか。1つは市場性が示されてない。コンテンツホルダーがやりたいと思えば状況は動く。テレビでいえばDVDから衛星放送であるとか、そういうものはそれぞれのビジネススキームの中でウィンドウが切られて動いている。新しい世界としてのデジタルネットワーク、それが従前のウィンドウとどういう関係なのか。補完なのか置き換わるものなのか。そういうことを議論することが一番最初に必要。そこで儲かるのならこういう議論にならないし、コンテンツホルダーも参入する。権利者もスキームが見えないからノーだというのは、進まない。12月のNHK、フジテレビの動画配信は始まった。それなりにうまくいってるところと、そうでないところもあるが、トライアルはうまくいってもらいたい。現状をモアベターにするという趣旨は理解できるが強制収容モデルはどうかと思う」

和田「必要性緊急性というところはおっしゃるとおり。ゲーム会社はIDを全部持っている。ビジネスが創造できないのは我々の能力の話だが、ゲーム会社ではオンラインゲームという新しいサービスも生まれている。その中でアイテムを販売するといったことも起きている。パラメータを販売するなんてこともやっている。従前のコンテンツだけで商売しているわけじゃなく、あるコンテンツを要素分解、アンバンドルすることで、新しいコンテンツが生まれている。ここにいろいろな権利者が関わっていると、権利処理が発狂するくらい大変になりそう。ゲーム会社は権利を全部持っているのでそこを考えなくて済む。有機的に1つになっているものをアンバンドルして売ることでコンテンツが生まれるし、可能性が見える。何らかの手当をしなければいけない。どういう手当をするのかはきちんとした議論しなきゃいけない。議論の土台がどういうものに発展するかわからないけど、その可能性を広げよう、ということでやっている」

金「緊急性必要性は利害関係者によって見方がかわるのは当然。市場や技術の動きが激しい。何かの政策手段を実行していくときに謙虚にならなきゃいけない。市場での相互作用を信じて、政策はあくまでうながすにとどまった方がいい。政府が何かを強制させるのではなく、政府が何かを促すということが限界じゃないか。今回の案の図を見ると、法定事業者が多数ある。取引費用を下げるためのものが今回の案。しかし、法定事業者が複数あると、取引費用を下げられない。権利の集約ができたが、活用ができないという最悪の事態になる可能性がある。なんでネットに放送局が出ないのか。まずはコスト的に割に合わない。放送局はネット配信はチャンスだけじゃなく、収益源に対する驚異でもある。放送局はネット配信しなくても生きていける。JASRACはライセンスをしなきゃ組織が成り立たない。この分野における利権を作り出さなきゃ、参加してこない。初期の数年間はそこに排他性を持たせる。がんばれば収益が得られるという利権を作れば、参加するモチベーション。法定事業者はいらないだろう。そのかわり映像版JASRACを作ればいい。そういった組織を政策側が作り上げていくか、ということが重要」

岩倉「こういう新しいものは映像だけ? ほかのコンテンツは?」

金「映像コンテンツだけに限って考えるべきだと思う。映画は業界が自主的に問題を解決している。音楽はJASRACがあって取引費用を下げている。そこに政策が介入する余地はない。放送だけが難しい。過去の放送とこれからは分けて考える。今後のやつは契約スキームでやればいい。過去の番組は今更できない。しかしネットで過去の番組見られないのは国民がかわいそう。放送の公共性から考えて、二次的な利用に対して過去の番組配信に対する権利制限を考えるのは合理性がある」

中山「つい最近、著作権法改正問題がある。文化庁に限らず日本の役所は画期的な改正はできないだろうと思ってる。長年主査やってきて、抜本的な改革は難しいと思う。役所は利害調整の役割を持っているから。役所の体質の問題。世の中が劇的に変わっていたら、議員立法でやろうというのは当然のなりゆき。議員立法すると役所や内閣府に影響を与えてくる。革新的なことは議員立法で考える意味はある。強制収容的な部分のところ、強制収容より、現権利者の総意をどうとりまとめたらいいのか、ということを考えている。著作権は重畳的な権利が重なっているので、権利者の意志をまとめるためのシステムになってる。金先生は法定事業者いらないんじゃないかというが、権利者が10人いるときにどうするのか。そこのところはあまりコストはかからないんじゃないか。NHKオンデマンドはうまくいってないというのはその通り。ただ、著作権法が1つのネックになっているのは間違いないだろうと私は思ってる。放送局も従来はこんなことやらなくても食っていけた。だが、広告収入は減ってきて、回復することはないだろう。そうなったら、不動産を売るということもあるが、過去のコンテンツを売っていくというところが得意だ。著作権法を変えれば流通する、ということはないが、足かせを外してあげることで動く部分は動いていくのではないか」

岩倉「次の論点。利用に関する権利を誰にどのような要件で集約するか、その場合に権利を集約された者が負う義務をどのようにするか。応諾義務をどう考えるか」

金「ホールドアップへの対応は話し合って決めればいい。強制的ではなく自発的な形で権利を預ける。法定事業者に還元能力があるかというのが条件になっているが、そういう法定事業者にモチベーションがあるか、というところが疑問。ホールドアップには期限付きの応諾義務を課すという形いいのじゃないか」

和田「法定事業者を法定にするかはおいといて、1つのものに集中しないと意味がない。どのように集中させるか。集中した結果どう活用するかというのは違う問題。前者はビジネスとしてどうするか。多数決かどうかはともかく、何らかの手段で決めなきゃいけないことは決める、というような着地させる条件を決めた方がいいと思う。納得性をどう担保するか。報酬分配を決めているわけだから、同じやり方でできるのではないか。配慮は必要だが、決めることを決めることに意味がある。応諾義務については個人的にはネガティブ。ビジネスでやっているので、いかに自分の持ってるコンテンツで儲けるかというところ。著作権のコンテンツに限って応諾義務がおきるのはおかしい。再活用はほかの方法でもできるんじゃないか。応諾義務課して一律の機構があると硬直的になるんじゃないか。新しいビジネスを起こそうとしているのに隘路に入ってしまうのでは。何らかの法定事業者に権利は集中させるべき。どのように集中させるかは、ホールドアップ問題を避けるような仕組みは必要」

菅原「大きな概念として集中した方がいいのはその通り。そのときに1か0かみたいな議論はやめた方がいい。売れ筋と思ったコンテンツがあったら、囲い込みをする。高く売れるウィンドウでしか売らないだろう。そこに応諾義務課すのはどうなの。集中化したときに、情報の集中と許諾の集中は違う。そのあたりどのような機能持たせるか。情報の集中だけではお金はうまれない。ビジネスでは持たない。非営利型の仕組みも考えるべき。CDCを作ったが、今後を考える上で1つの参考になるのでは。映画、放送、ゲーム、それらを一元化したいというニーズがホルダーにあればやればいい。管理事業者そこのスキーム持っているので、一元的に管理するならそのスキームを活用すればいいと思う」

中山「この問題を考える上で難しいのは業界ごとにビジネススキームと慣行が違って一律に論じられない。応諾義務にしても、誰も使ったらいいよというのは難しい分野もある。いろいろな分野を検討して精査する必要があるだろう。法定事業者をどうするか。放送局、レコード会社、映画会社。これからは新しい時代の流れを感じ取って新しい企業が法定事業者になっていけばいい。最近のGoogleはブック検索で世界的なレベルで良くも悪くもデファクトのルールを勝手に作っている。情報はいかに管理するか、いかに使わせるかということを議論していかなきゃいけない。厳しくやり過ぎると日本は世界から遅れてしまう。それは権利者にとっても不幸な事態を招くのではないか」

岩倉「次の論点。対象コンテンツの権利情報の明確化やコンテンツ・ライセンス事業者の法定など、対象コンテンツを利用しやすくするための方策について」

菅原「JASRACの現場。データ化したのは1950年。その頃からデジタルデータにした。何が必要か。コンテンツの元となるデータをいかに整理するか。コンピュータ処理というときは何らかのIDを用いた方が便利になる。idについてはそれぞれの権利者が持っている。IDが相互接続するときには共通化させる仕組みが必要。コンテンツの特定ができることが重要だ。元のデータの構築。音楽にしても昔からデータ化してる。映像のコンテンツホルダーで共有化に向けたデータ構築できるかというとなかなか進んでいない。データ作りは一切儲けを生まない作業。それは国が支援するというのも1アイデア」

金「著作権管理ビジネスの要素は、権利の収集管理、権利の活用、収益を徴収、収益を分配という4つ。この4つのうち収集管理するだけじゃやる側にインセンティブがない。なぜここまでJASRACがお金かけてやってるか。3つ目と4つ目があるから。いろいろな国が収集管理をやっているが、どこもうまくいってない。プレーヤー自身のインセンティブを把握して、それを補完的に設計するかというのがポイントだろう」

和田「取引を活発化させるには誰が権利持っているのかわからないと意味がない。信頼性とコストが必要。信頼性をどのように確保するか。初期の段階では立ち上げが民間だけでは困難な事業。制度設計のために必須なインフラであると考えるのであれば、民間じゃない部分のサポートが必要じゃないか。ここに経済的なインセンティブを作ろうとすると、どうしても無理が生じる。そこまではサポートが必要だろう」

中山「権利情報を集める。この問題に限らず、いろいろな審議会で問題になってるDB必要というのはみんな思っている。こういうものを集中的に管理しないと流通がうまくいかないし、侵害の発見というところでもうまくいかない。もっと広く考えると日本だけでやっても意味がない。国際標準になるものを作れればいい。人格権は著作権法の難問中の難問。これにつける薬はありません。立法時にもかなり議論あった。人格権を削る、低くするとなると抵抗感が強い。これを法改正で通すのは難しいだろう。だが、人格権はもっと議論されなきゃいけない。世界で一番強い人格権を作れば、良い創造ができるということでそうされたが、実際ネット時代になるとそこに対応できなくなってる。大きなスキームでは今回の案に反対はないんじゃないか。法定事業者の部分と応諾義務のところをどうするのか、という細かい点に関しては議論が必要だろう」

岩倉「現状認識はいろいろな立場がある。緊急にこうする必要はあるのか、モアベターにするのかという違いはあるが、コンテンツに対して流通促進させる工夫として利用権の集中化は考えられるだろう。強制収容は難しいかもしれないが何らかの合意が得られるための仕組みは必要だろう。法定事業者かどうかはともかく、何らかの役割をもった仕組みやサイクルを考えていくことができれば目的がたちやすいんじゃないか。現状踏まえると、権利集中について何らかの緊急な法整備を考えてもいいんじゃないか。どこまでこの仕組みを作るのか。そのあたりが今日の議論で見えてきたんじゃないか」


(質疑応答)
サイオステクノロジー喜多さん「権利の集約が必要というのは一致していたのは良かった。Googleブック検索だけでなく、映像コンテンツなども含めて動こうとしているだろう。Googleがやろうとしているものより、権利者にとっては協議会案の方がいいんじゃないか」

中山「Googleは米国の話で日本と比較はしにくい。一企業の活動だと、あれだけ大きいと世界的なスタンダードになってしまう可能性がある。あれが進むと著作物というのはお金払えば使えるんだ、という雰囲気が出てくる可能性があると思う。今後著作権や利用者の意識も変わらざるを得ない。日本で特別法作ってもGoogleには影響与えない。だが、個人的にはGoogleよりも法律でやった方がいいと思う」

個人会員石原さん「今一番やらなきゃいけないことは集約化以前に権利者のみんながネット上にコンテンツを出していくのか、ということを解決しなきゃ進まないだろう。話し合いの場が必要。権利者が協力できる場が必要。協力をしたくなるような話し合いの素案が必要。それはビジネスモデル、儲かる仕組み。過去のテレビ番組をテレビで再放送する場合、ネットの再放送ではテレビの再放送の方が収入がある。止まっている状況を打破するために国から補助を出して流れができるまでは作りなさい的なことができないだろうか。予算を消化するためにマッサージ器買っている場合じゃないだろう」

個人会員中泉さん「経済原則から見たら、いかにフェアな競争を実現する市場を作るか。それが先決。その上で多様なビジネスモデルと多様な参入者が不可欠ではないか。競争促進という意味で、競争法の適用を促した方がいいと思うがどうか。あと、人格権。人格権は重要だが、乱用されている。人格権を事後的に権利の乱用を行うことが問題大きいのではというところの意見を聞きたい」

中山「基本的にはそう思ってる。著作物の特性として、複数ある国もあれば、1つの方がいいとするという国もある。ある音楽を使いたいと思ったときにどこにアクセスしたらいいのかわからないというのは困る。集中システムが必要だ。独禁法の問題もIDで管理できれば解消されるのではないか。人格権の話は難問。あとから人格権を主張されると経済活動成立しない。今の規定はあとからでも言えるように読める。同一性保持権は何か。名誉を害するものを止める、超えるような人格権はおかしい。そこは放棄した方がいい」

立場は違えど、問題認識は大体同じという感じの人たちが4人集まったので、シンポとしては無難に終わった印象。とはいえ、問題提起としては意味のあるものだった気もします。

| 著作権 | この記事のURI | Posted at 19時23分 |

2009年02月11日(水)

「夜のプロトコル」という定期イベントの第1回を3月6日に開催します

出版業界にいる僕と同じ世代の人間が中心になって、月1ペースで旬なテーマ設定をしたトークイベント「夜のプロトコル」をこれから開催していくことになりました。第1回のテーマは「コンテンツ・メディア業界の1998年問題」です。以下詳細。

■夜のプロトコル・アカデミー:講座01回
コンテンツ・メディア業界の1998年問題

【レジュメ】
新聞がもっとも売れていた時代はいつ? 雑誌は? 音楽CDは? 
新聞と雑誌は1997年、音楽CDは翌年の1998年がピーク。以後、常に前年割れで落ち続け、現代に至っている。実はTVゲーム市場も、同じように1997年をピークに一時は売り上げが降下していたのだけど、2007年にDS、Wii効果で過去最高規模を記録。もし、これがなければ音楽CDや雑誌と同じような状況にあっただろう(グラフで見ると明白)。

なぜか誰も言ってないことけど、コンテンツ業界が1997年をピークにして、1998年から軒並み売り上げを落していくという「1998年問題」が存在するのだ(音楽の場合、1998年は浜崎あゆみ、椎名林檎、宇多田ヒカルとビッグネームが立て続けにデビューしたマジックイヤーだったせいもあってか1年遅れている)。

では、この1997〜98年に一体何が起ったのか? 

コンテンツ市場がピークにあった1997年とは、アジア通貨危機や山一証券の自主廃業などに代表される、バブル崩壊に始まる経済状況悪化の底だった時期であり、日本の労働者人口がピークを迎えた時期であり、インターネットの普及初期であり、携帯電話端末の普及率が50%を超えた年である。

そして、安室奈美恵が「出来ちゃった結婚」を宣言したのも1997年。アイドルの出来婚など今となっては珍しくないが、当時は前代未聞(あくまで、Babeの二階堂ゆかりさんの例を抜かせばだが)。アイドルという存在自体のパラダイムシフトであった。

1998年は、Googleが創業し、アップルに復帰したばかりのジョブスがiMacを発売し、ナップスターが開発され、初のMP3プレイヤー(mpman)が登場したなど、ITの世界で画期的な発明が相次いだ年だった。

第一回『夜のプロトコル』では、こうした「コンテンツ・メディア業界の1998年転機説」をテーマに、この時代に起きたあらゆることを分析し、1998年転機説を存分語り尽くします。イベント登壇者は、『夜のプロトコル』の立ち上げメンバーでもある、津田大介、いしたにまさき、速水健朗の3名です。

【日時】2009年3月6日(金) 19:00〜

【場所】高円寺「SALON by マーブルトロン」(マーブルトロンカフェ2F)
〒166-0003東京都杉並区高円寺南 2-14-2 2F
TEL:(オフィス)03-5377-1300 (店舗)03-5934-8106

【最寄り駅】東京メトロ丸ノ内線新高円寺駅より徒歩3分
JR 高円寺駅南口より徒歩10分

【料金】2000円(1ドリンク付き)
・イベント後の同会場でのパーティを予定しています(会費別途)
・定員は約50名です。場合によっては立ち見になる場合もあります。ご了承ください。

【予約方法】
この下の予約フォームにて。何か質問などありましたら事務局宛にメールをください。事務局アドレス=yorutoko@gmail.com

終わったあとの懇親会込みで楽しいイベントにしようと思っておりますので、ご興味のある方はぜひお越しくださいませ。

| お知らせ | この記事のURI | Posted at 01時18分 |

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